東京五輪は「都市鉱山メダル」! 世界へ「環境立国日本」のアピールなるか - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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東京五輪は「都市鉱山メダル」! 世界へ「環境立国日本」のアピールなるか

 東京2020五輪・パラリンピックで授与される金、銀、銅の入賞メダル約5000個は、パソコンや携帯電話などから調達された金属でつくられる。昨年7月、メダル作成に必要な金属が100%集まったことが発表された。

 その名も「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」。17年4月から19年3月までの間に国内全市区町村数1741のうち9割以上にあたる1621自治体が参加。集まった金属は金32キロ、銀3500キロ、銅2200キロとなったという。

 資源が少ない日本だが、小型家電に含まれる有用金属である「都市鉱山」は世界有数といってよい。環境省によると、自然の金山から採られる金鉱石1トンあたりに含まれる金はわずか5グラムだが、携帯電話1トン(約1万台)から回収できる金はその約56倍にあたる、約280グラムに及ぶ。

 日本国内で6800トンの金が都市鉱山として“埋蔵”されており、これは世界の埋蔵量4万2000トンのうちの16%に匹敵するという。テレビや太陽電池に使われるレアメタルのインジウムは、世界埋蔵量の16%。都市鉱山の観点で言えば、世界の1割を占める資源国となる。

 13年4月に施行された小型家電リサイクル法で始まったパソコンの再資源化が、五輪メダルをつくるというプロジェクトで定着した。環境省は、五輪メダルをつくるという目標達成後も、このせっかくのムーブメントを終わらせたくないと「アフターメダルプロジェクト」を進めている。

 今や、五輪招致で取り上げられる重要なテーマは「環境」と「持続可能性」だ。1972年に札幌で開催された冬季五輪の際、国立公園である恵庭岳の原生林を切り開き、ダウンヒルコースを設置した。植林を条件にして伐採が許可されており、五輪終了後に植林が行われたが、今も恵庭岳にはこのコースの痕がくっきり残されている。今では考えられないことだろう。

 「オリンピック史上最も環境に配慮した大会」を目標にすえたのが12年のロンドン五輪。20年の東京五輪は「ロンドンを超えられるか」として、競技会場などの電気をすべて再生可能エネルギーでまかなうなど、環境に配慮した持続可能な大会を目指している。

 年末に開かれた国連の気候変動枠組み条約会合で、温暖化対策に消極的だとして不名誉な「化石賞」を2度ももらった日本だが、都市鉱山の五輪メダルは「環境立国日本」をアピールできるよいツールになりそうだ。(北村馨)

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