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「自治体Vチューバー」が続々登場 地域PR、コロナ啓発にも活用

 動画を配信するCGアニメの架空キャラクター「バーチャルユーチューバー(Vチューバー)」を情報発信に活用する自治体が増えている。2018年に茨城県が全国で初めてのキャラクターを発表したのを皮切りに各地で登場。行政施策から観光情報まで幅広く紹介し、新型コロナウイルス感染拡大防止の啓発にも活用されている。

 「避難ルートを決めておくのは、ぼっけえ(とても)大切」。岡山県は昨年9月、高校生風のVチューバー「ももこ」と「キビト」が、防災や子宮頸がんに関する施策を紹介する動画を公開した。制服姿の2人が岡山弁を交えながら、コミカルに話題を展開。県職員もVチューバーとなって解説役を担う。

 動画に登場する県の今若睦也さん(43)は「若者にも硬派な施策を伝えやすいと考えた」と採用理由を説明する。

 岡山市でも昨年10月、地元出身の女優桜井日奈子さんをモデルにした「HINAKO」が登場。複数の動画内で、岡山名物「デミカツ丼」や日本遺産に認定された桃太郎伝説などを紹介した。再生は計100万回を超え、市担当者は「幅広い年代にPRできている」と手応えを語る。

 自治体公式Vチューバーは、都道府県の魅力度ランキング最下位からの脱却を目指して茨城県が18年8月に起用した「茨ひより」が先駆け。県の話題をアナウンサーとして伝える内容など約60本が配信され、経済効果は広告費換算で3億6000万円を超えた。ツイッターで「オンライン帰省でご家族とだんらんを」と呼び掛けるなど、コロナの感染拡大防止も訴える。

 今年1月から動画公開したのは富山県射水市の「いみず雫」。市専属記者として観光地や特産品を紹介する。コロナ対策では市のホームページに登場し、密閉、密集、密接の「3密」回避を求める。関連動画の配信も検討中だ。

 昨年3月に登場した滋賀県湖南市の「Minami」は、キャラの声を含め全て職員の手で動画を制作。既存のキャラクターを活用した例もあり、北海道北広島市の「クラーク先生」や岐阜県山県市の「山県さくら」は、市のPRキャラをVチューバー化した。

 自治体発のVチューバーについて、東京大の稲見昌彦教授(身体情報学)は「自治体や行政に距離を感じている人や若者にも親しんでもらいやすい」とメリットを説明。慶応大の土居丈朗教授(地方財政)は「『ゆるキャラ』のように各地域への関心が高まることが期待され、人件費などのコストも抑えられる」と話している。

 ■Vチューバー 動画サイト「ユーチューブ」に投稿された動画内で活動するアニメ風のキャラクターや、キャラを活用した動画配信者。2016年に登場した美少女キャラ「キズナアイ」が草分けとされ、IT関連会社「ユーザーローカル」(東京)によると、国内に1万以上が存在。ゲームや歌などの動画が人気を集め、企業や自治体が起用するケースも出てきた。

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