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習主席、無礼のウラに中国国内不安 「弱腰」「譲歩」批判に怯える

ニュースカテゴリ:政治・社会

習主席、無礼のウラに中国国内不安 「弱腰」「譲歩」批判に怯える

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安倍首相(左)との握手では硬い表情だった習近平国家主席=10日、北京(共同)  3年ぶりに実現した安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談。笑顔で語りかける安倍首相に対し、ニコリともせずそっぽを向く習氏の無礼な態度が話題になったが、習氏の対応は、「日本に譲歩した」という国内世論の批判を意識したものにほかならない。「会談」ではなく「会見」との表現を用いた中国外務当局の発表が、国内で追い込まれ、怯える習氏の立場を物語っている。

 「私も映像を見たが、どうすればよかったのか…」

 菅義偉官房長官は10日夕の記者会見で、外交儀礼上、例を見ない習氏の振る舞いへの困惑を隠さなかった。

 会談は、北京市の人民大会堂で約25分間にわたって行われ、第1次安倍政権当時の首相が胡錦濤国家主席との間で合意した「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ることで一致した。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は、会談での習氏の態度について「当然だろう。ニコニコしたりすれば、国内から批判を受けてしまう」と指摘する。首脳会談をめぐり中国側は、尖閣諸島や靖国神社参拝をめぐる問題での歩み寄りを開催の“条件”として示してきたが、日本側は一切譲歩しなかったからだ。

 実際、首脳会談に先立って日中両国が発表した合意文書に靖国問題が明記されていないことについて、中国のインターネット上では「(政府は)弱腰だ」と非難する声も起こっている。中国指導部は「日本に譲歩した」との批判を押さえ込むことに腐心しているのだ。

 日中首脳会談に関する中国外務省の発表は、「会談」との表現ではなく、ホスト役が客人に会う時などに使う「会見」を用いた。「会見」のニュアンスは、日本語の「面会」や「接見」に近い。中国の国営通信、新華社(英語版)も、会談について「日本側の要請に応じて」行われたと速報した。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の主催国として、安倍首相の「求めに応じて」あくまで儀礼的に面会した−。国内外にそうアピールしようという魂胆がミエミエだ。

 ただ、今回の首脳会談は、日本側にとって無意味だったわけではない。

 尖閣諸島や靖国神社の問題には両首脳とも言及しなかったものの、偶発的衝突を避ける「海上連絡メカニズム」の運用について合意したことは、危機管理面での大きな前進といえる。

 前出の藤井氏は「日本の原則的立場を貫いたまま会談を行ったという意味で、これまでの日中首脳会談とはまったく性格が異なる。立派な外交だったと評価していい」と語った。

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