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【永田町・霞が関インサイド】祖父・岸信介元首相の発言に見る安倍首相の強運

ニュースカテゴリ:政治・社会

【永田町・霞が関インサイド】祖父・岸信介元首相の発言に見る安倍首相の強運

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安倍首相の「運」を、祖父の岸元首相はどう評するか  先月下旬、文芸春秋から『岸信介の回想』(文春学藝ライブラリー)が再刊された。33年ぶりのことだ。

 オーラルヒストリーの第一人者の伊藤隆・東大教授(当時)が、岸信介元首相と政界の黒幕と言われた矢次一夫氏を相手に20回のロングインタビューを行い、『中央公論』(1979年9月号〜80年6月号)に10回連載された。

 その後、4回の補充インタビューを経て、81年6月に同社から『岸信介の回想』は刊行された。

 再刊本の帯びに「安倍晋三首相の原点が垣間見える歴史的証言の数々」とある。

 では、同書から興味深い岸発言を拾ってみる。

 「自分の力とかそんなものより、運が七分です。そっちが大きいですよ」

 「(自民党の長期政権を)私は現在の自民党のあり方や、内部の動きからみて望ましくないと思うんです。一度自民党が野に下る必要がある」

 「(自民党)総裁選挙を二年ごとにやるというようなことは、世界情勢が厳しい時に、こんな間違いはない。ところが日本人は気が短いとみえて、二年も総理をやると、さあお次の番だよということになる」

 今にして思えば、2009年8月衆院選での民主党政権誕生を看破していたことになる。自民党総裁任期も3年・2期への変更が実現した。

 そして、現在の「安倍一強」体制到来にも、安倍首相にツキ(運)があることと無縁ではない。

 来年5月20日には岸元首相の首相在職日数1241日を超える。

 安倍首相が長期政権への自信を深めていた矢先、9月3日に発足した第2次安倍改造内閣の看板であった小渕優子経産相が関連政治団体の不明瞭会計問題で、松島みどり法相が団扇(うちわ)配布問題でダブル辞任した。

 わずか1カ月半での辞任だ。さらに後任の宮沢洋一経産相以下、新閣僚の「政治とカネ」問題が相次いで噴出、安倍官邸に激震が走った。

 それだけではない。アベノミクスの陰りも国内外で指摘されていた。

 だが、前出の矢次氏が「政治家の運は悪運でなきゃいけない」と語っているように、確かに安倍首相には運が付いている。

 日経平均株価1万7000円の「ハロウィン・サプライズ」が出来(しゅったい)した。日本銀行の追加金融緩和とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産運用比率変更の同日決定である。

 だが、消費再増税判断は“運頼み”でできるものではない。 (ジャーナリスト・歳川隆雄)

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