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財務省OB22議員当落は? 自民、増税派の野田毅氏を「見せしめ」非公認か

ニュースカテゴリ:政治・社会

財務省OB22議員当落は? 自民、増税派の野田毅氏を「見せしめ」非公認か

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安倍晋三首相(右)が決断した消費税率引き上げ先送りを批判した自民党の野田毅税制調査会長。官邸サイドによる公認見送りの働きかけは「意趣返し」なのか  安倍晋三首相は18日夜、記者会見を開き、消費税再増税を先送りし、衆院解散・総選挙に踏み切ることを表明。7〜9月期のGDP(国内総生産)速報値が2四半期連続のマイナス成長になったことを踏まえ、国民の信任を得て、民主党政権以来の増税路線を転換し、景気対策を最優先させる構えだ。こうしたなか、官邸サイドが「税調のドン」であり、増税派を率いる自民党の野田毅税制調査会長(73)の公認を見送るよう、党執行部に働きかけていることが分かった。 

 「『天気晴朗なれど波高し』という状況かもしれない」

 安倍首相は17日夜、3カ国歴訪から帰国後、都内で開かれた公明党結党50周年の「感謝の集い」に駆け付けた。あいさつのなかで、アベノミクスの現状について、こう語った。

 「天気晴朗…」は、世界の海戦史上に残る一方的勝利となった日露戦争の日本海海戦直前、連合艦隊が大本営に宛てた電文の一節だ。選挙戦に挑む心境が伝わった。

 安倍首相は前出のあいさつで、GDP速報値について「残念ながらいい数字ではない」との認識を示した。同時に「われわれは長く続いたデフレから脱却するチャンスをつかんだ。これを手放すわけにはいかない」と語気を強め、再増税延期を強く示唆した。

 国民に増税路線の転換を問う選挙日程は、「12月2日公示−14日投開票」で実施される。衆院を解散する本会議は、地方の活力を引き出す地方創生関連法案を成立させるため、21日となる。

 与野党議員が走り出すなか、驚くべきニュースが飛び込んできた。

 官邸サイドが、今回の衆院選で「税調のドン」として君臨する野田氏の衆院熊本2区での公認を見送るよう党執行部に働きかけているというのだ。野田氏が衆院の「73歳定年」という党の内規に抵触するため、比例代表から立候補できないことを理由に挙げているという。

 ただ、大蔵省OBである野田氏は、財政規律に固執する財務省と歩調を合わせて再増税を一貫して求めてきた。衆院解散論が浮上した後も、「国民から理解されるような大義が提示されないと、とんでもないしっぺ返しを受けることもあり得る」などと、公然と批判していた。

 官邸サイドは以前から、「予算編成権を握る最強省庁・財務省と、永田町の増税派が結託して、経済情勢を無視して再増税を断行させるため抵抗している」と強い不快感を持っていた。このため、野田氏を「見せしめ」にして、財務省や増税派を牽制する意図もあるとみられている。

 かつて、自民党税調会長は絶対的な権力を持ち、山中貞則会長時代は「総理大臣よりも影響力を持つ」といわれた。野田氏周辺は「熊本2区で出るのは当然だ」と反発しているという。

 さて、野田氏を筆頭に「増税派」というイメージが強い、大蔵・財務省OBの衆院議員の選挙情勢を探ってみた。与野党22人いるが、野田氏が熊本2区で出馬するとして、落選危機はたった3人という圧倒的強さなのだ=別表。

 分析・予測した政治評論家の浅川博忠氏は「官僚出身議員でも、大蔵・財務省OBは別格だ。再増税先送りは逆風にならない。逆に、景気回復への期待が追い風になる」といい、こう続けた。

 「地方に行けば行くほど、同省OBは『予算を引っ張ってきてくれる』として期待されている。選挙区ではまず、地元の金融機関が応援する。さらに、金融機関と取引がある地元企業もこれに加わる。こうした構図は、与党も野党もあまり関係ない。極めて裾野が広い。安倍首相は『景気回復を優先する』として再増税を先送りする。有権者は『景気回復』という言葉に弱い。今回の解散・総選挙は、同省OBにとって追い風だ」

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