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巨人・原監督が丸の父親に伝えた「長野斬りの覚悟」

 巨人・原辰徳監督(60)が今オフ補強最大の目玉、丸佳浩外野手(29)の地元を訪れ丸の父親と初対面。人的補償で功労者の長野久義外野手(34)を犠牲にしてでも、丸をFAで獲った覚悟を伝えた。

 原監督は8日、客員教授を務める国際武道大(千葉県勝浦市)で新春恒例の特別講義。東海大野球部時代の先輩にあたる同大の岩井美樹教授の依頼で始まり、15回目を迎えた今回は特別な意味が加わった。昨年12月にご当地選手の丸を補強したばかりだからだ。

 会場では学生約100人に加え、丸の母校・市立勝浦中学の3年生98人も聴講。さらにキャンパスから徒歩圏内で理髪店を営む丸の父、浩二さんも駆けつけ息子の新しいボスに挨拶した。地元関係者によると、浩二さんは「巨人ファンというよりも長嶋信者」。千葉の英雄、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の熱烈なファンだという。

 毎年訪れてきた漁師町が結んだ、丸との不思議な縁。原監督は「初めて知ったけど、(実家が)ここからすぐみたいね。もしドラフトで指名されなければ、ここの大学に来ていたんだって。幸い上位で指名されたけれど」と逸話を明かした。

 講義の中では入団交渉時の丸の印象にも触れ、「FA制度はすぐれたプロ野球選手にとっての宝物。その1番手と評価して手を挙げた。2年連続MVPの実績があっても、フレッシュさや向上心を強く持ち、今までのキャリアを盾にせず、さらにうまくなるんだという気持ちを感じることができて、さらに評価が上がった」と持ち上げた。

 さらに前日(7日)に発表されたばかりの旬の話題、丸の人的補償で長野が広島に移籍することについても、同じく西武からFA補強した炭谷の補償で流出した内海とあわせて初めて言及した。

 「心境としては残念。でもルール上はしようがない。28人まで(プロテクトリストで)守ることができるが、彼ら2人を守ることができなかった。野球人として2人にエールを送る気持ち」

 球団幹部らが発した「痛い」「ショック」「まさか」のような、被害者然とした感傷的な言葉は使わない。ファンに愛された生え抜きの功労者たちを、自らの判断でプロテクトしなかったことへの批判は覚悟の上。「勝負の世界は足し算ばかりではない。引き算で長野、内海はいなくなったが、トータルで答えが出たときにどういう結果になるか。これが勝負」。現場を預かる指揮官として結果責任を求められる以上、チームの勝利を最優先に考え非情に徹した立場を鮮明にした。

 長野の悲劇的な広島行きの原因をつくった息子の父として、浩二さんは原監督が示した覚悟をどう受け止めただろうか。(笹森倫)

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