zakzak

記事詳細

巨人・大竹、悲願100勝へ「M2」 原監督の鶴の一声「寛ちゃんはまだ使える」で“延命”

 背水のマウンドに立ち続ける巨人・大竹寛投手(36)。昨季限りで切られるはずだったクビが政権交代でつながり、悲願の通算100勝へあと「2」に迫った。

 今季から中継ぎに回った大竹は、6月30日のヤクルト戦(秋田)で同点の8回に5番手で登板。1死一、三塁のピンチを招くと、ベンチは前進守備をとらず。内野ゴロでも勝ち越される崖っぷちで、ベテランは19歳の4番村上から大胆にも緩いカーブで空振り三振を奪った。続く22歳の中山には宝刀シュートで連続の空振り三振。無失点で切り抜け、控えめにガッツポーズをつくった。

 直後の9回に自軍が決勝点を挙げ、大竹にうれしい今季初白星。自身初の救援勝利に「与えられたところで、これからもしっかり仕事ができればいい」。原監督は「なかなか気っぷがいい。見習ってほしい、若い投手には」と絶賛。絶体絶命の場面で腹をくくった投球ができるのは、昨秋に一度は死んだ身だからか。

 昨季の1軍登板は2試合のみ。高橋前監督の構想から外れクビを切られる運びだったが、政権交代で昨秋復帰した原監督が「寛ちゃんはまだ使えるだろ」と鶴の一声で待ったをかけたという。

 2014年に広島からFA宣言し、条件が数億円も上回ったソフトバンクを蹴って巨人入り。その誠意に当時も指揮官だった原監督が報い、選手生命の死に水を取る役を買って出た格好だ。

 昨秋の契約更改では、加入時に3年総額5億円だった年俸が2625万円まで下がったが、大竹は「正直、クビを覚悟していた。もう1年契約していただけるんだなと。なんとかチームに貢献したい」と恩返しを誓った。今春キャンプから2軍で投げ続け、6月21日にようやく1軍初登板。「緊張したが、なんとか抑えられた。次も1球1球を大事に、気持ちを込めて投げ込みたい」。その言葉通り、最晩年に入った野球人生をいとおしむように、ここまで4戦続けて無失点の好投だ。

 プロ野球の醍醐味は、超人的なプレーだけではない。出番のたびに生きるか死ぬかの思いで、100勝の大台へ向け腕を振るベテランの姿は見応えがある。酸いも甘いもかみ分けた、98勝99敗という通算成績がまた味わい深い。(笹森倫)

関連ニュース

アクセスランキング