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フィギュア滑走後「投げ入れ」全面禁止を招いた…過剰な“くまのプーさん”

 19日から始まる全日本フィギュアスケート(国立代々木)で、ちょっとした異変が起こるらしい。今回から演技終了後の花束やプレゼントの投げ入れが全面禁止になるという。競技進行と観客の安全のためだ。

 あの“くまのプーさん”の縫いぐるみの投げ入れで、羽生結弦が滑った後はリンク一面が黄色く染まるほど。フィギュアでは投げ入れはお約束になっている。

 人気選手の後は、フラワーガールと呼ばれる少女たちが何人もリンクに出て、抱えきれないほどの花束を持って一生懸命回収している。しかし、花束は完全にラッピングされていないと落ちた花びら一枚がエッジに引っ掛かり、転倒する可能性がある。プレゼント品も、控えている次の選手の頭にぶつかることもあるという。

 フィギュア関係者に聞いてみた。「欧米なとでも花束程度は投げ入れられるが、縫いぐるみなどは日本独特。韓国でもキム・ヨナ全盛期には2トントラックで回収したといわれ、どちらも日本や韓国のローカルな風習ではないのか」

 昔は芝居や相撲でひいきの役者や力士に対し紙にお金を包んだ“おひねり”が飛んだそうで、その名残かもしれない。

 年々投げ入れは増える一方で、国内では大会によって入り口に選手別の回収ボックスを用意し、プレゼントはそこに入れてもらっているという。花束も指定された業者が会場で販売するラッピングしたものでないと投げ入れられないらしい。

 選手の方も花束は楽しみにしているらしく、学生も出場する全日本では、うれしそうに自分で拾って持ち帰る選手も多い。

 それでも全面禁止になったのは、やはり“くまのプーさん”の過剰な投げ入れの影響が大きい。先日のグランプリ(GP)ファイナルの男子フリーでも大逆転を目指した羽生が演技を終えるとお約束のプーさんの縫いぐるみが雨あられと投げ込まれた。いつもの光景とはいえ本人は4種5本の4回転ジャンプを跳び、ぐったりと精根尽きたところだっただけに異様だった。

 場所はイタリアのトリノ。投げ込んだのは、もちろん日本の女性ファンだろうが、これをやりたいがためにわざわざやってきたのでは、と思えるほどのおびただしい数だった。

 フリーの最終滑走者が羽生ならまだわかるが、黄色く染まったリンクでは最後にSP首位のチェン(米国)が控えていた。チェンに対してリスペクトの気持ちがあれば、演技の妨げにもなりかねない投げ入れはできないだろう。

 日本フィギュアは羽生をはじめ選手は一流。これを機に投げ入れは封印し、観客も一流であってもらいたい。(作家・神谷光男)

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