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【フットボール2012】このままでは危険!日本代表中心選手が厳しい状況

12.21更新

香川真司

 サッカー日本代表の中心選手を取り巻く状況が、悪化している。

 復帰が近いマンチェスター・ユナイテッドのMF香川真司だが、今度は難しいスタメン争いが待っている。ファーガソン監督は、ブンデスリーガ・ドルトムント時代の香川を見て、バルセロナ並みのスピーディーなパス回しを実現するには不可欠のピースと考えたのだろうが、やはりマンUは事情が違った。

 ドルトムントは、クロップ監督が若手主体のポゼッションスタイルを標榜(ひょうぼう)し、その中心に香川を据えた。ドリブラーの色が濃かった香川は新境地を開拓。周りの選手たちもこの戦術を受け入れ、香川がフリーになった瞬間に躊躇(ちゅうちょ)なくパスを入れてきた。

 だが、個性が強くプライドと自信を備えたマンUの選手たちは、ボールを持ったとしても必ずしも香川を見ない。香川獲得で4−2−3−1のシステムを試みたファーガソン監督にも、迷いが出ている。他のシステムを採用し、そこでの香川の生かし方を模索しているが、結果は芳しくない。

 日本代表のザッケローニ監督が全幅の信頼を置くMF本田圭佑も、なかなかCSKAモスクワから次のステップが踏み出せない。毎回市場が開く度に移籍の噂が出るが、消滅の繰り返し。日本代表のエースに見合ったユニホームを着ることができず、これではモチベーションも上がらない。

 さらに代表で右サイドバックのポジションを確保しかかっているDF酒井宏樹も、ハノーファー移籍後は出場機会が少なく苦しんでいる。

 国内組では、MF遠藤保仁とDF今野泰幸が所属するG大阪がJ2に転落。チーム事情を考えると、日本代表とのスムーズな両立は難しく、W杯前の1年間をJ2で戦うようだと、本番に向けてコンディションを維持するのが難しくなる。

 今後起爆剤として急成長を期待したいのは、ホッフェンハイムのFW宇佐美貴史、ウィガンの宮市亮ら現在20歳のプラチナ世代。しかし、彼らも出番を失い正念場を迎えている。

 順調な右肩上がりが強調される日本代表だが、少なくとも世界の舞台では依然として挑戦者の立場にあり、現状維持では前回以上の成績は望めない。ザッケローニ監督が、この状況でもメンバー固定で意図的な底上げを図らないと、一転危機的な状況に陥るかもしれない。

 ■加部究(かべ・きわむ) スポーツライター。1958年生まれ。6度のW杯、8度の各大陸選手権などを取材。著書にデットマール・クラマーを題材にした「大和魂のモダンサッカー」、「忠成」、「サッカー移民」など多数。現在「週刊サッカーダイジェスト」、「サッカー批評」他でコラムなどを連載。

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