テキサス親父「慰安婦像は日本バッシングそのもの」 邦人らの反対実らず米で2例目除幕

6月30日、米南部ジョージア州のブルックへブン市の公園に設置された慰安婦像(上塚真由撮影)

 【ブルックヘブン=上塚真由】米南部ジョージア州のブルックヘブン市は6月30日午前、韓国系団体から寄贈を受けた慰安婦像の除幕式を同市内の公園で行った。在アトランタ日本総領事館や現地の日本人らが設置に反対してきたが覆せなかった。米国での公有地への像設置は、2013年の西部カリフォルニア州グレンデール市に次いで2例目。15年末の日韓合意後は初となる。

 除幕式では、像設置を推進してきたジョージア州アトランタの韓国系団体の関係者や、韓国から渡米した元慰安婦(89)ら200人以上が出席。ブルックヘブン市のアーンスト市長はあいさつで「ブルックヘブン市は米南部で初めて慰安婦像に公に関わる都市となった。他の都市も人身売買の問題に強い姿勢で臨むことを期待したい」と述べた。

 像の碑文は「平和のための少女像」と記し、慰安婦について「1931年から1945年まで日本帝国軍によって奴隷化を強いられた」と説明。「数十万人に及ぶと推定」されるとし、「20世紀の人身売買で知られる最大のケースの一つ」と記した。

 これに先立ち、ブルックヘブンの市議会は6月29日夜、像設置に反対する日本人住民らの意見を初めて公の場で聞いた。発言機会を得た先着15人のうち、11人が像設置問題を取り上げ、日本人住民8人と米国人2人の計10人が設置反対を訴え、賛成意見は米国人1人だった。

 小学生の子供2人を持つ40代の日本人女性は、最初に設置されたグレンデール市の像が現地の日本人の子供たちに悪影響を与えると懸念し、「同じようなことが起きることは想像に難くない。母親として像は受け入れられない。子供を守りたい一心だ」と訴えた。ジョージア州に30年以上住む50代の日本人女性は「像が反日運動に利用されていることは明らか。この像で地域社会が分断されることを望まない」と指摘した。「テキサス親父」の呼び名で知られるテキサス州在住の評論家、トニー・マラーノ氏は「像は日本バッシングそのもの」と設置に反対した。

 ■菅氏「極めて残念」

 菅義偉官房長官は先月30日の記者会見で、米南部ジョージア州ブルックヘブン市の公園に新たな慰安婦像が設置されることについて「わが国政府の立場やこれまでの取り組みと相いれない。極めて残念である」と述べた。「政府としてはさまざまな関係者にアプローチし、わが国政府の立場について説明を行ってきているところだ。今後とも適切に対応していきたい」とも語った。

 一方、菅氏は同州の篠塚隆駐アトランタ総領事が米地元紙のインタビューで「慰安婦は金をもらった売春婦だった」と語ったとの報道に関し「篠塚氏は『報酬を受けた娼婦』とか『娼婦』という表現は用いていない」と説明した。「総領事はわが国政府の立場に沿って慰安婦を『性奴隷』と称することは不適切であるという説明を行った」と述べた。

 菅氏は、地元紙が6月27日に「篠塚氏が報酬を受けた娼婦と述べたわけではない」と紹介していると説明。篠塚氏の発言の撤回を求めていた韓国側には「説明済み」と述べた。