党内実力者がズラリ!永田町に流れる内閣改造「脱お友達・重厚閣僚候補」リスト

官邸入りする安倍首相。その表情は険しい=7月31日午前

 安倍晋三首相は8月3日に断行する内閣改造・自民党役員人事で、「脱お友達」を決断した。30%未満の「危険水域」前後まで下落した内閣支持率に歯止めをかけ、悲願の憲法改正や拉致問題解決に前進するためにも、「重厚な布陣」を目指している。北朝鮮が2回目のICBM(大陸間弾道ミサイル)発射を強行したことを受け、次期防衛相には、朝鮮半島有事に対応でき、日報隠蔽問題で混乱した防衛省・自衛隊を立て直せる能力と人望のある防衛相経験者の起用を固めた。夕刊フジでは、永田町関係者への取材を通じて「脱お友達」の閣僚候補と、その起用ポストを予想した。

 「自公推薦の現職候補が圧倒的な差をつけて勝利する状況にホッとしている」

 菅義偉官房長官は7月30日夜、地元・横浜市の市長選で、自民、公明両党が推薦する現職の林文子氏が3選を確実にし、東京都議選、仙台市長選の連敗をストップさせたことを受け、記者団にこう語った。局面転換を目指す内閣改造の追い風も期待したようだ。

 安倍首相は同日、公邸にこもって人事構想を練った。今回の人事では、「脱お友達」が重要なポイントとなる。

 南スーダンのPKO(国連平和維持活動)の日報隠蔽問題で、防衛省・自衛隊を混乱させた稲田朋美前防衛相や、「加計問題」で名前が挙がった萩生田光一官房副長官らは、安倍首相に近い。国民の信頼を取り戻すには、安倍首相にも苦言を呈する、閣僚経験者や党重鎮の起用が不可欠だ。

 永田町に流れる「脱お友達・重厚閣僚候補」は別表の通り。党内実力者がズラリと並んでいる。

 まず注目は、伊吹文明元衆院議長だ。衆院当選11回という重鎮中の重鎮で、所属する二階俊博幹事長率いる二階派でも重きをなす。

 伊吹氏は先月25日の派閥研修会で、「テレビのバラエティー番組が国会の中に入ってきたような気がしてならない」「国民のために、やらなければならないものが山積している。そこに力を注がなければいけない」と、後輩議員に活を入れた。

 前川喜平前文科事務次官に代表されるように、文科省は現在、岩盤規制や天下りを守る側となり、倒閣目的と思える情報がだだ漏れしている。

 政治評論家の森田実氏は「伊吹氏が文科相を受けてくれれば、今のガタガタした空気は一瞬で変わるだろう」と太鼓判を押し、「重鎮を口説くには、安倍首相が三顧の礼を尽くすべきだ」とアドバイスした。

 稲田氏は28日、日報問題に関する特別防衛監察の結果を公表し、防衛省・自衛隊混乱の責任を取って辞任した。稲田氏に反発した自衛隊から「手書きメモ」などが流出した可能性が指摘される。

 安倍首相は、朝鮮半島有事が現実味を帯びるなか、自衛隊のシビリアンコントロール(文民統制)が効かなくなっている危険性を重視し、次期防衛相には混乱を収拾し、未曾有の事態に対応できる防衛相経験者を起用する方針を固めた。

 林芳正参院議員や、中谷元(げん)衆院議員、小野寺五典衆院議員らが有力視されている。

 森田氏は「次期防衛相には、安定感のある人物が必要だ。背広組、自衛官の気持ちが分かる人物が来れば、すぐに防衛省・自衛隊の規律・統制は整うだろう」と語った。

 「反安倍」の急先鋒(せんぽう)である石破茂元幹事長を、重要閣僚で起用するとの情報もある。石破氏を入閣させられれば「お友達」色を払拭できるうえ、国民に「安倍首相は変わった」と印象付けることができる。

 森喜朗元首相も、産経新聞7月27日朝刊掲載のインタビューで、「石破さんは、こういう政局になると後ろから弓を引くような発言ばかりして愚かだなと思うけど、安倍首相はこれを逆手に取って『大変な状況なので、ぜひ入閣してほしい』と国民に見えるように頭を下げたらいいんだよ。それでも『受けない』と言うならば大っぴらに批判すればいい。『あの人は国のことより自分のことが優先なんですね』とね」と語っている。

 石破氏は同日昼の派閥会合で、「巷間(こうかん)言われる人事についても、何のために、何をやるべくして人事をやるのか、国民にはっきり示すことが大事だ。今は本当にわが党は危機的な状況だ。二階幹事長がグループの研修会で『選挙は間近だ』という話をしたが、それはまったく、その通りだ」と語った。

 このほか、重厚閣僚候補には、ひと癖もふた癖もあるが、永田町にも霞が関にもにらみが利く面々が挙がっている。

 森田氏は「今、霞が関が大きく揺れている。この動揺を抑えるには、安定感・存在感のある重鎮が必要だ」といい、続けた。

 「私は、年内に衆院解散・総選挙があると思っている。安倍首相はこの戦いに勝ち、悲願の憲法改正や拉致問題解決を成し遂げようとするだろう。自身の政治生命や、日本の命運をかけた大勝負となる。今回の人事のポイントは、選挙に耐え得る態勢を築けるかどうかだ。党の重鎮を要所要所に配置し、誰にも文句が言えない陣容が整えられるかどうかだ」

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