【新・悪韓論】日本語とだいぶ違う韓国の「国産化」 輸入部品組み立て完成するのは“劣化コピー”

全斗煥元韓国大統領=1999年

 「伝統茶を開発せよ」-。この大見出しを見たときの違和感を、いまも覚えている。全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(当時)の指示を伝える記事だった。よくよく読めば、「地域に埋もれている伝統茶がたくさんあるはずだから掘り起こせ」という内容だった。

 「開発」(ケバル)は「掘り起こす」という意味で使われていたのだ。韓国語で使われる漢字語を「日本で使われているのと同じ意味」と思ってはいけない-そう悟らせてくれた記事だった。

 当時の韓国は貿易赤字で苦しんでいた。「ぜいたく性飲料」にすぎないインスタントコーヒーの輸入が急増していて、大統領の指示が出たのだった(=韓国の喫茶店のコーヒーは、つい最近までインスタントコーヒーが主流だった)。

 たちまち、ハト麦の粉末を炒ったユルム茶、玄米の粉末を焦がしたヒョンミ茶(=日本の玄米茶とは違って茶葉は入っていない)…といろいろ出てきた。いずれも粉末で、熱湯を注いで飲むのだが、日本茶の味と香りになじんだ者には、とても飲める代物ではなかった。

 韓国人の多くも伝統茶には見向きもせず、インスタントコーヒーを飲み続けた。

 そういう状況のなかで“愛国者”が出現した。喫茶店には、客が吸ったたばこの吸い殻が残る。それを水に漬けて、薄茶色の水をつくる。その水を利用すれば、インスタントコーヒーを節約できる。さすが、その喫茶店主は警察に捕まったが…。

 いま韓国のネイバー辞典で「開発」を見ると、(1)未開地を開拓して発展させる(2)産業を興し、資源で人間社会を支援する(3)子供の創意を引き立てて、自尊心を呼び起こす-の3つの意味が載っている。

 「掘り起こす」は載っていないが、韓国人と話すと時として、「いま必要なことは、昔の手法を開発して…」といった具合に「掘り起こす」の用例が出てくる。きっと誤用なのだろうが…。

 そういえば、韓国の防衛事業庁も2013年3月、「韓国型機動ヘリコプター・スリオンの開発を完了した」と公式発表した。きっと、(2)の意味で使ったのだろう。しかし、その後の現実は、この「開発」が「劣化コピーの組み立てで、国民に迷惑をかけること」だったことを示した。

 韓国語で使う「国産化」もまた、日本で言う「国産化」とはだいぶ違う。

 ライセンス生産のことを言うなら上等な方であり、普通は輸入した機資材を組み立てて、劣化コピーを完成させることが、韓国語で言うところの「国産化」だ。

 韓国人は外国人と接する際は、とたんに愛国者に変身する。それで、日本を訪れる韓国人の土産品には「韓国で開発された韓国型の国産品」がやたら多いのだが、正直なところ、食べてみて、あるいは使ってみて、満足したためしがない。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。

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