【スクープ最前線】北「水爆」狂行で“第2次朝鮮戦争”勃発危機 米軍が佐世保に「強襲揚陸艦」急派、北は潜入工作員に「秘密命令」か

「水爆」とみられる物体を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(右から2人目)。朝鮮中央通信が3日配信した(朝鮮通信=共同)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、世界の平和と安定を根底から覆そうとしている。「6回目の核実験」を強行し、ICBM(大陸間弾道ミサイル)用の水爆実験に「完全成功した」と発表したのだ。常軌を逸した暴挙に、ドナルド・トランプ米大統領は、北朝鮮と取引を続ける「すべての国との貿易停止」を検討していると表明し、中国とロシアを強く牽制(けんせい)した。軍事オプションも検討中で、他国への軍事展開能力で突出する超大型強襲揚陸艦「ワスプ」を佐世保基地(長崎県)に急派させている。ジャーナリストの加賀孝英氏と夕刊フジ取材班が最新情報を報告する。

 「北朝鮮が核実験を行った。米国にとって非常に敵対的で危険だ」「北朝鮮はならず者国家だ」「(韓国の)連中に言った通り、北朝鮮との融和的な対話は役に立たない」「米国は北朝鮮と取引する、あらゆる国との貿易停止を検討している」

 トランプ氏は3日、北朝鮮の許しがたい核実験を受け、こう連続してツイートした。行間から激しい怒りが爆発していた。「貿易停止」は、中国やロシアを念頭に置いたものとみられる。

 安倍晋三首相はこの日、報道各社のインタビューに4度応じた。国家安全保障会議(NSC)の閣僚会合などを受け、「国際社会の度重なる警告を無視した。断じて容認できない」「世界の平和を脅かす行為だ」「国際社会と連携し断固たる対応を取っていく」と記者団に語った。

 国連安全保障理事会は4日午前(日本時間同日夜)、北朝鮮による軍事挑発を封じるため緊急会合を開催する。

 北朝鮮は3日午後0時29分ごろ、北東部豊渓里(プンゲリ)で核実験を強行した。マグニチュード(M)6・1の地震波が観測された。

 同国国営「中央テレビ」は同日午後、重大放送として「ICBM搭載のための、水爆実験に成功した」「前例のないほど強力な爆弾だ」と発表した。正恩氏が「核実験の命令書」に署名する映像まで流した。

 朝鮮労働党幹部の1人は、私(加賀)に緊張した声で、同日の党政治局常務委員会で「元帥様(正恩氏)が『水素爆弾に成功した』『今、この瞬間から、ICBMへの弾頭搭載作業を開始する。敵は米国だ!』と宣言した」と明かした。

 事実上の“宣戦布告”ではないのか。

 官邸関係者は「実は、米国から『北朝鮮が9月9日(建国記念日)前後に核実験を強行しそうだ』という情報を得ていた。安倍首相以下、全閣僚が緊張していた。その通りになった。最悪だ」といい、続けた。

 「北朝鮮は、北海道上空を通過した8月29日の弾道ミサイル『火星12』の発射に続き、レッドラインを越えた。トランプ氏が、北朝鮮への『予防的先制攻撃』の決断を下す可能性がある。安倍首相とトランプ氏は1週間で4回(8月29、30日と9月3日に2回)も電話首脳会談を行った。極めて異例であり、状況は緊迫している」

 この連載では過去2回、《米軍準備完了! 北攻撃「9月危機」》《中露も北開戦準備(警戒)》と警鐘を鳴らしてきた。誰も「第2次朝鮮戦争勃発」など望んではいないが、その通りの展開になりつつある。

 旧知の米情報当局関係者は「米軍はいつでも北朝鮮を攻撃し、正恩体制を殲滅(せんめつ)できる態勢を整えつつある。米軍は、超大型の強襲揚陸艦『ワスプ』を佐世保基地(長崎県)に急派した。岩国基地(山口県)には、最新鋭ステルス戦闘機F-35Bがスタンバイ。グアムのアンダーセン空軍基地からは、正恩氏が最も恐れる戦略爆撃機B-1B『ランサー』がいつでも出撃できる」

 米国と北朝鮮は6月ごろから水面下接触を続けてきた。北朝鮮の「核・ミサイル」を完全放棄させるためだが、正恩氏は威嚇をやめなかった。

 米政府関係者は「トランプ氏は『火星12』の発射を、北朝鮮の返答(事実上の宣戦布告)と受け止めた。それに続く核実験だ。トランプ氏が決断しなければ、米国は北朝鮮だけでなく、世界中からバカにされる。覇権国家の地位を失いかねない」と語った。

 米国内のムードも一変した。

 「米メディアが一斉に『北朝鮮とは取引をするな。罠だ』『報復しろ。平壌(ピョンヤン)上空を通過する巡航ミサイル(トマホーク)を撃て』と強硬論を報じ、世論が反北一色に染まりつつある。軍人のジェームズ・マティス国防長官や、ハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は慎重だが、トランプ氏は『オバマ前大統領は弱腰だ!』と批判してきただけに、強硬論を捨てていない」(別の米政府関係者)

 驚かないでいただきたい。大変な情報がある。北朝鮮が日米韓3カ国に潜入する工作員に「秘密命令」を発した疑いがある。以下、日本の外事警察関係者、米当局関係者から入手した情報だ。

 「北朝鮮は8月31日、中央裁判所の判決として、北朝鮮の体制を揶揄(やゆ)した韓国紙の記者ら4人に、『極刑を宣告する』『任意の場所で即時執行する』と発表した。公然たるテロ宣言だ。正恩氏がこれまでやらなかった行動だ」

 「正恩氏は今年2月以降、KGB(旧ソ連国家保安委員会)の元要員約10人を軍事顧問に起用した。米軍の『斬首作戦』を阻止し、クーデターを潰すためだ。彼らが正恩氏に、日米韓3カ国の撹乱(かくらん)工作の入れ知恵をしている」

 日本には、約600人の北朝鮮工作員が潜入しているとされ、8月末に「極秘命令が出された」という情報が流れた。直接行動が命令された可能性もある。

 日本は国内の治安を守るとともに、世界の平和と安定のために全力を尽くすしかない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。