トリプル補選、自民「全勝狙い」 民進は出遅れ、共産共闘見通せず

 青森4区、新潟5区、愛媛3区の衆院トリプル補欠選挙(10月10日告示、同22日投開票)の告示まで1カ月を切り、与野党とも準備を本格化させている。安倍晋三(自民党総裁)政権にとって先の内閣改造後初の国政選挙だけに、政府・与党は3戦全勝で政権浮揚を狙うが、不安材料も残る。一方、前原誠司代表率いる民進党は新執行部の初陣だが、離党予備軍の対応に追われ、共産党との共闘も見通せず、出遅れている。(岡田浩明、松本学)

 安倍首相は11日、自民党の二階俊博幹事長や公明党の山口那津男代表と首相官邸で相次いで会談した。二階氏は会談後、補選について記者団に「(首相とは)全て勝ち抜きたいということで一致している」と語った。首相は10日夜には、麻生太郎副総理兼財務相とも東京・富ケ谷の私邸で約1時間半、会談した。補選の情勢などについて意見を交わしたとみられ、全勝に向けて臨戦態勢に入った。

 3補選はいずれも自民党衆院議員の死去に伴う「弔い選挙」だ。公職選挙法改正で補選が4月と10月の年2回に集約された平成12年以降、自民党は11の弔い補選に全勝しているが、塩谷立選対委員長は「内閣支持率は厳しい状態が続いている。一歩一歩頑張りたい」と引き締める。

 自民党は今回、青森4区で故木村太郎氏の弟、次郎氏、愛媛3区では故白石徹氏の次男、寛樹氏の擁立を決めている。ただ、愛媛3区は民進党候補に比べ知名度で劣る「マイナスからのスタート」(自民党選対幹部)で、愛媛県今治市を舞台とした加計学園問題が選挙戦にどう影響するか懸念もある。新潟5区は党支部が泉田裕彦前新潟県知事の擁立を決めたものの、原発再稼働に慎重だった泉田氏への反発もあり、11日に開いた支部選考委員会の結論は持ち越しとなった。

 一方、民進党は補選で勝利し、反転攻勢への足がかりにしたいところだが、その足元がおぼつかない。共産党を含む統一候補擁立にかじを切れば、民共共闘の見直しを示唆した前原氏の党代表選での主張との矛盾が生じ、党内の離党予備軍の不満が増幅しかねない。

 大島敦幹事長は11日の記者会見で「それぞれの地域の事情を把握しながら勝てる態勢をつくりたい」と述べるにとどめ、共産党との候補者調整の可否への言及は避けた。

 とはいえ、非自民票が分散し、民進、共産両候補が共倒れすれば、ただでさえ弱まっている前原執行部の求心力が輪をかけてしぼむのは必至だ。「共産党が自主的に候補を取り下げてくれればありがたい」(前原氏周辺)と淡い期待を寄せるが、共産党の小池晃書記局長は11日の会見で「一方的に候補を降ろすだけでは力が出ない」と語り、党本部レベルでの協議や共通政策確認を経て一本化すべきだとの認識を示した。

 26年衆院選の愛媛3区で民主(当時)と共産両候補の得票数を足せば、自民党候補と接戦に持ち込めていたという前例もあり、前原氏は難しいかじ取りを迫られる。

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