【新・悪韓論】高層マンションの陰にヘルコリア…「考試院」生活者50万人、“家なき人”増加の実態

ソウルの高層ビル街。繁栄の陰に“地獄”があるという

 日本旅行に来た韓国人に「どこに住んでいるのか?」と尋ねると、「首都圏の高層マンション」との回答が圧倒的に多い。さらに尋ねると「そのマンションは時価○○億ウォンで…」。そこで、「すごいね」と相づちを打って乗せてしまったら「来年は釜山(プサン)の海岸に別荘を買おうかと思っている」などと延々と始めてくれる。

 「そんな大金持ちが、わざわざ東京まで来たのに、こんな安酒屋で…」などと混ぜ返してはいけない。海外に出たら、とたんに愛国者になる韓国人が語る「わが国と私」の状況は、常にバラ色なのだ。

 しかし、韓国語のニュースサイトを見れば、「首都圏の高層マンション」の陰に、とてつもないヘル(地獄)のあることが容易に分かる。

 聯合ニュースが9日配信した「考試院・サウナがわが家」というタイトルの記事は、その良い例だ。記事の骨子を紹介しよう。

 韓国の統計庁は、世帯の居所を「住宅」と「住宅以外の居所」に分類している。「住宅以外の居所」はさらに、(1)ホテル・旅館など(2)寄宿舎などの特殊施設(3)バラック・ビニールハウス(4)その他-に細分される。

 このうち、(4)について聯合ニュースは「商店・考試院(コシウォン)・韓国風サウナなどを転々としたり、野宿をするなど非常に不安定な環境」と解説している。

 ここでいう「商店」を、従業員用の宿泊設備がある大店舗などと思ってはいけない。「景気低迷で家を放棄したまま、飲食店など営業の場で食べて寝る零細自営業者」と聯合ニュースは述べている。

 家は差し押さえられたのか、狭いバラック店舗の床に寝て過ごしている人々だ。

 考試院とは、そもそも受験生用に1坪ほどに仕切ったレンタルスペースだったが、いつしか家を失った人々や、地方から出てきた就活生の居住場所に変わった。

 統計庁の資料は、ソウルの世帯数はほぼ横ばいだったのに、(4)は7万2140世帯となり、前2015年(6万9870世帯)より2270世帯(3・2%)増えたとしている。

 実は、首都圏の考試院居住者は50万人という推計もある。韓国政府が公表する統計数値を「でたらめ」とする検証記事は、毎年のように韓国の新聞に載っている。だが、政府の公式統計でも、(4)が前年より3・2%増えたと述べていることは、それなりの意味があろう。

 聯合ニュースがこの記事を配信した翌日、京郷新聞(韓国語サイト)は、各種統計とアンケートを総合分析した結果、自殺と住居の狭さには密接な関係があることが分かったと報じている。

 同じ日、中央日報の日本語サイトには「持ち家のない世帯44%…上位1%は平均7軒保有」との記事が載った。

 政府資料「個人不動産保有現況」に基づく記事だ。15年の場合、「保有不動産価格基準で上位1%の13万9000人が保有した住宅は90万6000軒」であり、07年の「11万5000人が37万軒」より大幅に保有住宅数が増えたという内容だ。

 富める者はますます富み、貧しい者は考試院生活に…日本に来た韓国人旅行客が語ることのない「ヘルコリア」(地獄の韓国)の一側面だ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。