【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】都政は混乱しただけ、プライドがない民進は「解党」 理解できない日本人の「有言不実行」を評価する心情

小池氏は「希望の党」を立ち上げたが、都政を投げ出すのか=27日、都内のホテル

 昭和を振り返ると、日本で一番評価されるタイプの人物は「不言実行」だったと思う。「男は黙って、サッポロビール」というCMもはやった。

 米国では学校や勤務先で評価されたければ、自己PRしたうえで結果を出す「有言実行」が普通である。謙遜が美徳で、自己PRを行う人物を「はしたない」と考える日本人の心情が、当時はよく理解できなかった。

 近年は日本でも、米国と同じ「有言実行」が評価されている。安倍晋三首相は間違いなく「有言実行」のタイプである。

 2012年12月の政権奪還以降、アベノミクスを通じた景気回復や、失業率改善、特定秘密保護法や平和安全法制など重要法案の可決、組織犯罪処罰法改正、パレルモ条約加盟など、数々の「有言実行」があった。

 憲法第9条を改正して、自衛隊を憲法に明記するという「有言」は、左派マスコミや無責任野党によるなり振り構わぬ抵抗を受けて、まだ「実行」されていないが、個人的には時間の問題だと楽観視している。過去の実績を見れば安倍首相は必ずやり遂げるだろう。

 政治家とは本来、安倍首相のように、自分が実現したい政策を掲げて、強い意欲を持って選挙に立候補し、当選後は政策実現に向けて黙々と努力すべき職業である。

 ところが、日本では意欲や政策などない人物が、「風」と呼ばれるブームに乗って政治家になる。有権者の多くが政党名で投票するからだ。結果、要職に就くべきではない人物が当選し、不祥事が相次ぐ。政党の調査が甘いのも問題だが、最終的には過去の失敗に学ばない有権者の責任といえる。

 小池百合子都知事が自ら代表として立ち上げた国政政党「希望の党」が話題なのは、その「風」を巻き起こす可能性が高いからだ。

 民進党は野党第1党のプライドがないようで、「解党」して小池新党に合流するという。「風」が吹くことに賭けたのだ。前原誠司代表は「どんな手段を使ってでも安倍晋三政権を終わらせる」と発言した。まずは安倍政権の問題点を具体的に指摘してほしい。

 産経新聞のサイトで小池氏の会見文字起こしを読んだが、「しがらみのない政治」「大胆な改革」「日本をリセットする」「寛容な改革保守政党」といった耳に聞こえがいい言葉が見事に並んでいた。「言語明瞭、意味不明瞭」であり、ドイツ帝国の宣伝手法を思い出した。

 小池氏が都知事になって1年余りが経過したが、都政は混乱しただけだ。「不言実行」を好む日本人の国民性は理解できるようになったが、「有言不実行」の人物を評価する心情は今も理解できない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

Read more