【新・悪韓論】「秋の10連休」に安保危機と金融不安直撃 外国人が2日間で1カ月分の国債売り越し

金融危機が懸念される韓国だが、文大統領の感覚はズレているようだ(聯合=共同)

 朝鮮半島を起爆点としかねない軍事危機が刻一刻と進むなか、韓国はいま文在寅(ムン・ジェイン)大統領のプレゼントによる「秋の10連休」の真っただ中にある。連休が明ける10月10日は、北朝鮮の労働党創建記念日であり、韓国にとっては中国との通貨スワップが終了する日になるかもしれない。

 そうしたなかで、外国人による韓国国債売りも尋常ならざるペースで進んでいる。が、韓国人一般は「ケンチャナヨ」(=『気にすることない』といった意味)の能天気のようだ。「秋の10連休」の後は、半島南部が「アイゴー」の声で満ちあふれるかもしれないのに…。

 中秋(秋夕)は韓国人にとって旧正月と並ぶ名節であり祝日だ。中秋も旧正月も陰暦によるから、毎年、日にちが違う。今年の中秋は10月4、5日になった。

 3日は建国記念日にあたる開天節で祝日、9日は「ハングルの日」で祝日。そこで、ポピュリズム政権は10月2日を臨時休日にすることを決めた。

 日本の祝日・休日は法律の定めによるが、韓国では閣議で臨時休日を決められるのだから“進んでいる”と言うべきなのだろうか。

 土日、3つの祝日、臨時休日。そして6日を振り替え休日にすれば「秋の10連休」の完成だ。

 「国内外の累積在庫が200万台」とされる自動車業界にとっては、願ってもない生産調整期間になる。

 中秋は故郷に戻り、老父母を慰め、先祖の祭祀(さいし)をして…などというのは、今や少数派になったようだ。多数派は遊びと旅行。旅行はボッタクリがなく、国内より安い海外へ。といっても、それは大手企業の正社員の話だ。中小企業の非正規職は安焼酎でも飲んで憂さを晴らすしかない。きっと、交通事故と暴力事件が激増する。

 しかし、より深刻な事態が静かに進んでいる。

 連休入り前の9月26、27両日で、外国人投資家が韓国国債を3兆ウォン(約2940億円)売り越した。8月1カ月の売り越しに匹敵する額だ。そして、対韓融資のプレミアム(上乗せ金利)は19カ月ぶりの高水準になった。

 保守系紙・朝鮮日報は9月28日の社説で「まだ本格的な『韓国売り』とは言えないが、朝鮮半島の安全保障リスクが高まる状況で(大規模な外国人売りが)起きただけに、いつもの状況とは異なる」と危機感をあらわにした。

 金融当局もさすが「これはヤバい」と思ったのだろう。連休入り直前の29日になって、中央銀行を含めた関係省庁の合同会議を開き、連休中も国際金融市場を24時間モニタリングすると決めたが、それで大変動に対応できるのだろうか。

 もっとも、真性の「従北派」の思惑は、自由社会の価値観とは根底から違う。彼らからすれば「韓国経済の落ち込み=北朝鮮との等質化に向けた前進」だから「歓迎」すべきことだ。それが政権の失政と受け止められない海外要因、例えば、「米帝支配下のヘッジファンドの策動」によるものなら「大歓迎」ということになろう。

 そんな願いを込めて10連休が設定されたとは言わないが…。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。