【ここがヘンだよ!日本】いつまで続く「絶望」の都政 職員評価は46・6点もワイドショーは小池劇場の虜…

都政も混乱が続いているが…

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 小池百合子都知事が誕生した昨年7月31日の都知事選から1年以上が経過した。

 この間、都政には、築地中央卸売市場の豊洲への移転騒ぎ、東京五輪をめぐる予算削減や会場見直し騒動、都議会における都民ファーストの会の躍進など、さまざまな騒動や変化があった。こうした激動の1年を経て、都政をどう評価するか、と東京都職員に問うた都政新報社のアンケートの結果が衝撃的で、一部で話題になっている。

 まず小池都政全般に対する職員の評価は100点満点中46・6点と、舛添要一前都知事時代1年目の63・6点、石原慎太郎知事時代1年目の71・1点と比べて著しく低い水準になっている。

 外から見て華々しいように見える小池都政も、「大山鳴動してネズミ一匹」で、実務的にはほとんど成果が上がっていないのだ。

 豊洲の地下水問題は、「食の安全」と何も関係ない空騒ぎにすぎなかったことが判明した。むしろ、移転延期に伴う数百億円規模の追加費用が無為に発生し、400億円といわれた五輪経費削減も、まやかしにすぎなかったことが都議会で指摘され、また地方開催にも失敗している。

 小池氏が強調する「情報公開」の観点でも、極端に外部顧問を重用する側近政治が展開され、議事録さえ残らない。密室で意思決定がなされており、これを94・4%の職員が問題視している。

 こうした都政の散々たる実情にも関わらず、小池氏が人気を保てているのは、小池氏が演出する劇場型政治に魅了されたワイドショーを始めとするメディアからの好意的な報道が続いてきたからである。

 いまだにワイドショーは小池氏の演出する劇場の虜(とりこ)になっており、思考停止している状態だ。メディアが機能していない状態では、都知事を監視する立場の都議会の役割が重要になるが、ここにも問題がある。

 それは最大会派である地域政党「都民ファーストの会」が、二元代表制の本旨に反して、すっかり小池氏の支持団体に成り下がっている点だ。

 9月の都議会定例会でも、都民ファーストの会の増子博樹幹事長がひたすらに知事をヨイショする姿は異様だった。

 都議選前は積極的にネットメディアを通じて都政情報を発信をしていた音喜多駿(おときた・しゅん)都議らは「小池氏の政治姿勢に疑問を持った」として、都議会閉会日の5日、離党することを明らかにした。

 このように今の都政は失政続きだ。内部で数々の問題が指摘されているにも関わらず、メディアは思考停止状態で、小池氏への好意的な報道を続ける。肝心の都議会すら小池氏の統制下にあって問題を指摘できず、ガバナンス不全の「プチ独裁」状態にある。

 もはや誰も知事の問題を指摘しない、この「絶望」の都政はいつまで続くのであろうか。

 ■宇佐美典也(うさみ・のりや) 1981年、東京都生まれ。東大経卒、経産省入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当後、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案やマネジメントを行う。2012年9月に経産省を退職。現在、政策コンサルタントとして活躍する。著書・共著に『肩書き捨てたら地獄だった』(中公新書ラクレ)、『朝日新聞がなくなる日』(ワニブックス)など。

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