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「カルデラ噴火」 文明を断絶させた大噴火の歴史 (1/2ページ)

 6世紀の中世ヨーロッパに「暗黒時代」と呼ばれる時代があった。社会的な衰退と混乱が長く続いた時代だった。現在までの過去2000年間で最も寒い10年間だったのが影響したと思われている。

 これが、地球の反対側にある火山の噴火に起因するものだという発表が行われた。この春、オーストリア・ウィーンで開かれた欧州地球物理学会。会議は欧州各地で持ち回りで開かれるもので私も会員になっている。

 このとき「謎の雲」が欧州の空を覆った。当時ローマにいた歴史家プロコピウスが次のように書き残している。「その年中ずっと、太陽が発する光に明るさはなく、月のようだった。終わらない日食のようだ」

 欧州の平均気温が2℃下がり、農耕に壊滅的な影響を与え、欧州の大半とその隣接地域に大規模な食糧不足をもたらした。北欧の木は、この数年間だけ木の成長が悪くて年輪の間隔がつまっていることも明らかになった。

 これは「カルデラ噴火」という大規模な火山噴火が起きて、日光をさえぎる硫黄の粒子が成層圏に充満し、突然気温が低下したことによるものだった。この硫黄粒子は世界中に降ってきて、グリーンランドや南極の氷河の下からも発見された。

 発表では、この噴火は2回あったという。だが北半球のどこかと熱帯地方のどこかとしか言及されていない。だが、ほぼ間違いなくインドネシアのクラカタウ火山とメキシコのエルチチョン火山ではないかと考えられている。

 クラカタウ火山の地元であるジャワ島西部にはカラタンと呼ばれた高度の文明が栄えていたが、この噴火で姿を消してしまった。またエルチチョン火山の噴火でマヤ文明も崩壊したといわれている。

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