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地震が引き起こした大洪水 地震の被害は震害だけではない (1/2ページ)

 今年は、日本に台風が8つも上陸した。洪水や浸水のニュースが飛び交ったが、じつは、過去1万年で地球上で起きた最も大規模な洪水は地震が起こしたものだ。

 伝説だった黄河の大洪水が実際に起きていて、その原因が地震だったことを示す研究論文がこの夏に発表された。米国の科学誌サイエンスに掲載された。

 この研究によれば、紀元前1900年頃に起きた地震の土砂崩れで、山峡を通る黄河がせき止められた。

 なにせ黄河。中国でも第2の大河。たいへんな水量だ。地震でできたダムが半年ほどで持ちこたえられなくなり、崩れて水が下流の低地帯を襲った。16立方キロという途方もない量だった。

 研究のきっかけは「喇家(らつか)遺跡」の発掘が行われたことだ。中国のポンペイとも言われ、地下に埋まっていた村が発掘され、大規模な地震後の洪水によってこの村が埋められたことが分かった。

 この大洪水は、その後、中国最古の王朝、夏の成立につながった。王朝の始祖、禹は黄河の治水に成功して、初めての王国を作ったとされる。川岸の浚渫(しゅんせつ)や水路の変更を行ったのだ。

 地震によって起きた地崩れが川をせき止めて洪水を起こした例は中国だけではない。日本にもある。

 長野県で、地震でできたダムが決壊して大洪水を起こしたことがある。

 1847年に信州(いまの長野県)で起きた善光寺地震。死者は市中だけで2500人にもなったが、この地震の震災はそれだけではなかった。

 この地震による山崩れは、4万カ所以上にも及んだ。なかでも、犀川右岸の岩倉山(虚空蔵山)の崩壊は日本史上、もっとも大規模な山崩れになった。

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