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小型護衛艦「あぶくま」型「ちくま」 中国から領海を守る沿岸警備の“スタメン選手” (1/2ページ)

 中国海軍艦艇による、日本領海付近での示威航行が増えている。公海上であっても、日本領海近くを、わが物顔で通り抜けているのは看過しがたい状況だ。

 先月20日にも、鹿児島県・口永良部島の約170キロ沖合を行く、ジャンカイII級フリゲイト2隻を含む中国海軍3隻が確認された。この時の警戒監視に当たったのが小型護衛艦「あぶくま」型の「ちくま」だった。

 かつて海上自衛隊は、護衛艦隊所属の護衛隊と、各地方隊(大湊、横須賀、呉、舞鶴、佐世保)所属の護衛隊という2系統があった。護衛艦隊所属の護衛隊は、イージス艦など大型護衛艦で構成され、地方隊所属の護衛隊は、沿岸警備用のDE(Destroyer Escort)と呼ばれる小型護衛艦で構成されていた。

 平時は担当エリアの領海警備を、有事は護衛艦隊をかいくぐって沿岸域に近づこうとする敵を最後に仕留めるのが地方隊所属護衛隊の役割だ。外洋展開能力も重武装も必要ないため、大型艦の必要がなかったからだ。

 これまでのDEは「対潜型」「対艦型」と任務に分け建造されてきたが、効率を考え、1隻でマルチに戦える方がいいとして計画されたのが「あぶくま」型だった。

 1989年12月21日に「あぶくま」が就役した。当初は同型艦を10隻建造する予定だったが、冷戦終結を受けて、6隻で終了した。

 対テロ戦争の時代となるとDEは作られなくなり、老朽化した護衛艦をDEの代わりとして使うことになった。日本領海に近づく敵などいないと考えられたからだ。

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