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東芝を苦境に陥れた原発事業 商業ベースは市場原理で衰退、一部を国営化して維持管理へ (1/2ページ)

 東芝は、米原子力事業で7000億円を超す損失を計上する見通しを明らかにした。日本を代表する大企業の東芝が絶体絶命である。ただ、その財務状況が問題になったのは2年以上前からだ。

 ところが、マスメディアは当初は「不適切会計」と表現し、後になってようやく「不正会計」と報じるようになった。はっきりいえば「粉飾」であったのに、なぜか奥歯にものの挟まった言い方が目立った。結局、2年間を要しても、立ち直りは難しかった。

 東芝が経営危機に陥ったことからも分かるように、原発事業の先行きは厳しい。米国のシェール革命のように、エネルギーの多様化が進む中で、原発のコストの高さがあらためて確認されているためだ。米国でも原発の新設は困難になっている。

 背景には、もちろん事故が起きた場合のコストが大きいことがある。原発のコストをまともに算出すれば、公的負担をするといっても国民感情では受け入れられず、産業界から見ても新規投資で採算が取れない分野になっている。

 こうした事実からみても、原発のコストを明示して電力の自由化を進めていけば、商業原発はいずれフェードアウトしていくことが明らかだ。別に「原発即時ストップ」と性急で声高な活動をしなくてもいい。

 国民も産業界も長期的なフェードアウトを認めざるを得ない状況なのだから、じっくりと時間をかけて市場メカニズムを使いながら原発に対処すればいい。その方が、一部の活動家が倫理問題を持ちだして原発阻止活動をするよりも、国民、企業家ともに納得できると筆者は考えている。

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