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【高橋洋一 日本の解き方】全人代でも露呈した習氏への権力集中 恩恵は国有企業だけ、民営化はさらに遠のく悪循環 (1/2ページ)

 中国で全国人民代表大会(全人代)が開かれている。習近平国家主席への権力集中が進むなか、内政や政治・経済の問題など中国が抱える課題はなにか。

 最近、習主席と折り合いが悪いといわれている李克強首相が打ち出した経済政策が話題になっている。その中身は規制緩和、減税、インフラ投資、軍事費増大である。習主席の最近の主張に沿って、経済政策に取り入れたものとみられる。

 このうち、短期的な効果は減税とインフラ投資、軍事費増大というケインズ政策にかかっている。

 一方、今年の成長目標については、「6・5%前後」と昨年からわずかに引き下げた。中国の場合、国内総生産(GDP)統計は、まるで操作対象であるかように微調整をされているようだ。最近はGDP目標を「きれいに」毎年引き下げ、実際の統計結果も目標に従って下がっている。

 ケインズ政策はこのGDP管理にも貢献し、今年も予定通りの経済成長率になる公算が大きい。もっとも、以前の本コラムで書いてきたように中国のGDP統計そのものを信用できないことにも留意すべきである。

 規制緩和とケインズ政策の組み合わせは、市場経済が中心の先進国の経済政策としては悪くない。しかし、中国経済では、いまだに国有企業が経済の主力であり、先進国とはまったく違った経済構造である。

 本コラムで再三指摘してきたように、中国の一党独裁という政治的な不自由と、私企業での分権意思決定という経済的な自由は相いれない。これは、ノーベル賞経済学者であるフリードマン氏が50年以上前に『資本主義と自由』で喝破していたことだ。ここが、中国の最大のアキレス腱である。

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