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新幹線を止めたのは有馬温泉だった 非火山性の温泉、熱源のナゾ (1/2ページ)

 3月のはじめに山陽新幹線がストップする事件があった。新神戸駅から約4キロ東にある六甲トンネルで白煙が出て、119番通報が相次いだからだ。

 だが、トンネル内には火の気がなく、焦げた臭いもしなかった。白煙は水蒸気だった。山陽新幹線の運転は間もなく再開された。

 六甲トンネルは有馬温泉のすぐ南側を通る14キロのトンネルである。六甲山近辺は温泉が湧きやすい場所だ。外気との温度差で水蒸気が発生したのだろう。

 日本に温泉は多いが、そのほとんどは地下にあるマグマが地下水を温めてできている火山性のものだ。このため、マグマが生まれている東日本火山帯と西日本火山帯に温泉が集中している。マグマがさらに上がってくれば火山の噴火が起きる。

 ところで有馬温泉や紀伊半島にある白浜温泉など、有馬から和歌山までの近畿地方の温泉は火山性ではない。これらの温泉は「有馬型温泉」と呼ばれている。

 つまり近畿地方には火山がないのに温泉だけがあるのだ。なかには沸騰している温度のものもあり、塩分濃度が海水の2倍もあるものもある。

 この非火山性の温泉がなにを熱源にしているのかは、じつは大きなナゾなのだ。

 「有馬型温泉」を生むメカニズムには諸説がある。なかでも有力なのがフィリピン海プレートの潜り込みで生まれた高温の熱水が脱水されて上がってきているという説だ。この辺の地下は、水が沸騰する温度よりははるかに高いが、それでもマグマを作る1000℃ほどの温度ではない。

 この「有馬型温泉水」の地下深くにはフィリピン海プレートがある。首都圏で関東地震(1923年)を起こしたプレートだ。本州の南にある南海トラフや相模トラフから潜り込み、日本列島の下を通っている。

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