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決算もできない東芝の悲惨 「宝」の半導体事業手放し、原子力は引き取り手不在に (2/2ページ)

 東芝は、株主や銀行の信用不安を打ち消すため、半導体事業や医療機器事業の売却で資金を調達するが、どちらも東芝にとって「宝」と言うべき基幹事業だ。一方、原子力事業は巨額の赤字を垂れ流し続けていて、民間では引き取り手が現れるはずもない。

 東芝の断末魔は、決算発表の延期で極まった。虎の子の半導体子会社の株売却について、綱川智社長は、2割未満の売却としていたのを、完全売却もあり得ると急遽(きゅうきょ)変更した。

 2割未満の売却では高い価格が付かないから、最初から完全売却は常識だが、そこが今の東芝には欠けているのだ。そこには経営戦略がない。

 さらに、決算発表で配布された資料の中身で「海外原子力事業のリスク遮断 マジョリティ売却等による非連結化を含め再編検討を加速」との文章には、のけぞった。巨額の損失が予定されている米原子力子会社のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を連結対象から外すというのだ。しかし、誰がWHを引き取るのだろうか。それができるくらいなら、今のような苦境になっていないはずだ。

 政府が救済に入るはずだというのは希望的観測に過ぎない。東芝本体が破綻処理された後、事業部を売却する中で、原子力事業を政府が底値で買う可能性はあるという程度ではないか。

 東芝はあまりに巨大になっていろんな事業をやりすぎた。その結果ガバナンスが利かなかったのが敗因だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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