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イエレン氏とトランプ氏の距離 利上げに資金供給で配慮も日本はまだ追加緩和可能だ (1/2ページ)

 イエレン議長率いる米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを行ったことについて、トランプ大統領が掲げる減税やインフラ投資などの政策との関係が注目されている。両者の関係はどうなのか。

 FRBは、昨年12月14日と今月16日に利上げに踏み切った。雇用情勢が良く、このままではインフレが加速する可能性があるからだ。もっとも、利上げは設備投資を減速させ、景気にとってはマイナス効果になる。このため、トランプ政権での減税・インフラ投資への悪影響への懸念も出ているところだ。

 トランプ政権の閣僚人事は遅れた。米財務長官にゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューシン氏が就任したのは、米上院本会議が賛成多数で承認した2月14日。同氏は、過度に強いドルは米国経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性があるという考えの持ち主だ。FRBもこうしたトランプ政権の意向を十分に知りながら、政治の空白を狙って金融政策を行っている。もちろん、表向きの経済環境の説明とも整合的に振る舞う。

 昨年12月の利上げも、政権移行の時期だった。今回の利上げも、トランプ政権が大統領令でバタバタしているときである。イエレン議長はなかなか政治的駆け引きでも巧みだ。

 FRBの金融政策では利上げに注目されがちだが、マネタリーベース(中央銀行が供給する通貨)の量についても忘れてはいけない。米国の週ごとのマネタリーベース(季節調整済み)のデータを見ると、2008年9月のリーマン・ショック直後に2倍以上に急増し、その後は緩やかに増加。11年1月から同年6月まで増加し、その後は横ばいだった。13年1月から14年6月まで増加し、15年9月まで横ばいで、その後は緩やかに減少傾向に入った。ところが、今年になると再び増加傾向になっている。

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