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英国のEU離脱交渉の影響、44年の歴史を2年で解消 短期的な経済苦境は不可避 (1/2ページ)

 英国のロンドンでテロ事件があった。場所はビッグベン(ウェストミンスター宮殿=国会議事堂の時計塔)の近くで、多くの観光客で賑わうところだ。

 事件に世界は大きな衝撃を受けたが、そうした中、英国のメイ首相は29日に欧州連合(EU)離脱を通知し、原則2年間の交渉に入る。

 英国の政治的な決断は、昨年6月の国民投票以来、粛々と進んできたが、今後は気の遠くなるような事務作業が待っている。英国とEUは、貿易、投資協定などで数千もあるといわれる規定について、すべてを見直し、ルールを今後作っていかなければいけない。

 EUの前身である欧州共同体(EC)に英国が加盟したのは1973年である。それ以来44年の歴史を、たった2年間で解消しようとすることになる。

 英国は、ECの前身である欧州経済共同体(EEC)に加盟せず対抗してきたが、それがうまくいかずに63年からEECに加盟する方針に転じた。当初は、フランスなどの反対があったが、ようやく73年にEC加盟となった。それ以降、93年にECがEUに転じて、関係が緊密になっていった。

 こうした40年以上の歴史によって、英国とEUの各種協定は複雑化していった。これらを解消するのだから、少し考えただけでも作業は大変だろう。通常の貿易新協定でも数年はかかる。それでも、新協定という前向きなものならば、その苦労は報われもするが、離脱という後ろ向きなものなので、十分な精査が行われず、予想外の落とし穴があるかもしれない。

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