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東芝の半導体売却と外為法 安全保障に関わる問題なら日本政府は「ノー」と言える (1/2ページ)

 経営危機の東芝が売却を予定している半導体事業について、相手が外資となる場合、政府は外国為替及び外国貿易法(外為法)による事前審査の対象とする方針を打ち出している。東芝の一部技術が軍事転用できる恐れがあり、売却の中身次第で計画の中止や変更を勧告するということのようだ。

 外為法というと、筆者が1980年当時、大蔵省(現財務省)に入省したときを思い出す。理系出身だったので、法律をまったく見たこともないのに、外為法の資本取引の自由化などを担当したからだ。もちろんベテランの係長の下で指示されるがままに調べ物をしただけだが、初めて法律を読んで、その政省令の一部を作成するという役人人生のスタートだった。

 当時の外為法改正は、今から振り返ると、「原則規制」を「原則自由」に転換するという、戦後の中でも大きな改正であり、OECD(経済協力開発機構)の資本自由化コードなど世界標準への転換期であった。

 法律の用語は、法律の中で定義されており、一般の意味と違うこともあった。筆者は数学科出身なので、言葉の定義がはじめにあって、それから入るというスタイルには慣れていた。

 外為法では、言葉の定義は第6条にあり、資本取引についてもその定義が20条にあった。ただし、対内直接投資については、資本取引の一部として含まれているのだが、対内直接投資として26条で別に定義し、27条で届け出を課していた。それは、別の規制体系にするのだとわかった。つまり、対内直接投資については、いろいろな理由で完全には自由化できないので、万が一の場合にはしっかり規制するという考え方だった。

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