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【国防最前線】敵基地攻撃能力は無駄ではない ミサイル防衛「喫緊の危機」乗り切るには (2/2ページ)

 もはや日本のスローペースでは防御も追い付かない。「喫緊の危機」を乗り切るには、米国が日本における懲罰的抑止を担う確実性を担保するしかない。

 そこで大切なのは、日本が技術的貢献をすることだ。軍事技術は現在、中国とロシアがリードしつつあるといわれる。

 米国は技術向上を図り、中露への優位性を保つべく「第3次相殺(オフセット)戦略」と称してブレーク・スルーを模索している。例えば、火薬ではなく電気を使って弾を加速し、数百発の連射が可能な「レールガン」や、レーザーでミサイルを無力化する兵器などの開発を急いでいる。

 「日本が技術で力を発揮することは十分に可能だ!」

 そう意気込む関係者は少なくない。日本の得意分野を生かせれば日米の抑止力強化につながる。そのためには米国に対して、優位性を持てるレベルに高める必要がある。

 米国は研究開発予算の約50%を国防総省が管理しているが、防衛省は政府全体の4%程度でしかない。思い切った研究開発への投資が求められる。「産官学」の連携もいいが、つれない態度の「学」を追いかけるだけでなく、「産」の能力開花にも目を向けてもいいのではないか。 =おわり

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストに。防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛隊の経済学』(イースト新書)など。

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