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日銀「出口政策」論者の不可解 失業率を低位安定させるには金融緩和維持が必要 (1/2ページ)

 日銀の量的緩和政策が4年を過ぎ、出口に関するシナリオを提示すべきではないかとの論調も一部で見受けられる。

 異次元緩和のスタート時には「2%、2年、2倍」が掲げられた。インフレ率2%を2年で達成するためにマネタリーベース(日銀が供給する資金)を2倍にすると日銀は言った。

 まず、4年間の数字を確認しておこう。インフレ率(消費者物価指数総合の対前年同月比。消費増税の見かけ変化を考慮後)、失業率をそれぞれ2013年3月、14年3月、15年3月、16年3月、17年2月でみると、インフレ率は▲0・9%、1・6%、0・2%、0%、0・3%と推移した。失業率は4・1%、3・6%、3・4%、3・2%、2・8%と着実に下がっている。

 マネタリーベース(平均残高)を同じ期間でみれば、138兆円、214兆円、288兆円、370兆円、441兆円と推移した。分かりやすくするため13年3月を100とすれば、100、155、209、267、320となっている。

 こうしてみると、「2%、2年、2倍」の異次元緩和については、1年目はほぼ完璧であったが、2年目に崩れたことが分かる。その理由は、14年4月からの消費増税である。それまで順調に上昇していたインフレ率が腰砕けになった。もっとも、その後も金融緩和を継続したことはマネタリーベースの数字からも確認できる。そのおかげで、失業率は低下し続けているのだ。

 こうしたマクロ経済状況をみると、インフレ率が上がっていない(一度上がったが下がった)のは、消費増税を含む財政政策の影響、失業率が低下しているのは金融政策の影響だと整理できる。

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