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【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏が習氏に力を誇示 北先制攻撃の可能性低下も中国への圧力は… (1/2ページ)

 米中首脳会談では具体的な進展がなく、トランプ米大統領の訪中が決まっただけだ。ただし、トランプ大統領が実力の違いを見せつけた。

 米中会談中に米国がシリアへのミサイル攻撃を実行したからだ。シリアが化学兵器を使用したことを理由としているが、ロシア側はシリア反政府軍の持つ化学兵器が原因と反論している。もっとも、国際社会の現実は理由よりも実行するかどうかに重要な意味がある。

 たしかに今の段階では、シリアが化学兵器を使用したかどうかは、客観的にはよくわからないところもある。この意味で、国際法の観点から見れば、今回の米国の行動はやや危うい。しかし、これが国際社会の現実でもある。オバマ大統領時代、米国は物わかりのいい国になっていた。

 実際、これまでシリアの横暴に対してオバマ政権は実力行使の姿勢を見せるだけで実行せず、結果としてシリアで台頭したのがロシアだった。

 「米国は世界の警察官の役目を果たさない」というオバマ氏のスローガン通りの行動は世界の不安定化を招いた。その代表例が、北朝鮮の核・ミサイルによる挑発、ロシアのクリミアやシリアへの介入、中国の南シナ海への勢力拡張である。

 今回のシリアの軍事施設への攻撃は、米中首脳会談の前に準備されていた。それを、習近平国家主席との夕食会後に実行した。トランプ大統領は、大統領選挙期間中、「米国第一」の姿勢から、世界各地での紛争には手を出さないという方針だったが、ここに来て路線転換しているようだ。これは伝統的な共和党路線であり、世界各地に積極的に介入していく姿勢である。

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