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米シリア攻撃の実態…北をけん制するものではない 伝統的な対立に回帰した対露外交 (1/2ページ)

 中国が(北朝鮮への)圧力を強めない場合は米国が単独で核の脅威を取り除く--。

 英紙『フィナンシャル・タイムズ』は2日付でトランプ大統領のインタビューを掲載。この中で、トランプ大統領が4月6、7日に行われる中国の習近平国家主席との会談で、北朝鮮問題を取り上げる意向だとして、冒頭の発言を報じたのだった。

 こうなると米中首脳会談の興味も、俄然(がぜん)、朝鮮半島有事の「Xデー」へとシフトしてしまうこととなった。

 一方で北朝鮮が再度核実験を準備しているとのニュースも飛び込んできて、相変わらず朝鮮半島がアジアの火薬庫であること、そして金正恩(キム・ジョンウン)政権の変数の大きさをあらためて認識させられた。

 しかし、世界中のメディアが米中首脳会談の評価をしようとしたその瞬間、目の覚めるような驚愕(きょうがく)のニュースが、中東地域から飛び込んできた。

 米軍による唐突なシリア・アサド政府軍に対するミサイル攻撃の一報であった。地中海からシリアに向け、計59発のトマホークを撃ち込んだというのだ。

 この動きに対し、多くのメディアは「北朝鮮に対する警告」とトランプ政権の有言実行ぶりと結びつけた。さらに9日、米ニミッツ級原子力空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃群が、寄港先のシンガポールから急遽(きゅうきょ)予定を変更し北上すると、朝鮮半島の緊張のボルテージは一挙に高まっていった。

 だが私は、米国のシリア攻撃は、北朝鮮に見せつけるというレベルの話にはどうしても思えない。もちろん北朝鮮にもついでに警告を与えるという効果は否定しないものの、シリアの問題は主客を逆転させるほど小さな問題ではないと思うからだ。

 そもそもシリアへの攻撃は現状が見事に示しているように、その実態は米ロ対決の最前線である。

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