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日銀の「出口」心配すべきか 自民党提言は15年前の議論、債務超過懸念も単なる誤解 (1/2ページ)

 自民党の行政改革推進本部は、日銀が将来的に「出口戦略」を進める場合に備えた対応をすべきだと政府に提言した。なぜこの時期に出口戦略問題が取り沙汰されているのだろうか。

 提言を読んで、不思議に思うことがある。「出口戦略」というが、まず海外の例が全く言及されていない。

 2008年9月のリーマン・ショック以降、英米など先進国の中央銀行は量的緩和を行った。米連邦準備制度理事会(FRB)は14年10月に量的緩和を終了したが、マネタリーベース(中央銀行が供給する資金量)の残高を急激には減少させておらず、今でもリーマン・ショック前の4倍以上になっている。英イングランド銀行は、マネタリーベース残高を傾向として減少させないで今に至り、リーマン・ショック前の5倍以上である。

 なお、日本では01年3月から量的緩和を実施していたが、06年3月、インフレ率が事実上マイナスであったにもかかわらず量的緩和を解除し、さらに急激にマネタリーベースを減少させるという手痛いミスがあった。英米ともに、このミスを研究しており慎重に行動している。

 日銀は13年4月から再び量的緩和をするようになった。その後1年でインフレ率は1・5%程度まで上昇したが、14年4月の消費増税によって再びインフレ率が低下してしまった。

 比較的うまくいった米国でも出口は6年、英国では8年以上経ってもまだ至っていない。

 こうした英米の例をみれば、日本での出口の議論は時期尚早と言わざるを得ない。しかも、議論するとしても、06年の二の舞にならないように、「残高は微減または現状維持」とならざるを得ないだろう。

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