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正恩氏、最高指導者就任から5年でも外交経験なし トランプ氏と会談する日は来るのか?

 【ソウル=桜井紀雄】トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と状況次第で会談する考えを示した。

 金委員長は最高指導者就任から5年を超えたが、首脳外交の経験はゼロといわれる。父や祖父もなし得なかった米朝首脳会談の可能性はあるのか。

 金委員長は2015年、ロシアや中国が戦勝70年式典に招聘(しょうへい)したが、結局、初外遊は頓挫した。複数の首脳が集まる場では、新参者として末席扱いになることを嫌ったとみられている。13年には、訪朝したモンゴル大統領とも会談しなかったと伝えられる。

 米首脳との会談となると次元が違う。北朝鮮は、米国と平和協定を締結し、恒久的な安全を担保させることを最大の外交目標に掲げてきたからだ。

 北朝鮮外交に詳しい龍谷大の李相哲教授は「先代も成し遂げられなかったことで権威づけになる。対米関係を好転できれば、日本や韓国との交渉も必要ないと考えており、のどから手が出るほど実現したいはずだ」と指摘する。

 ただ、可能性は「ゼロに近い」ともみる。まず場所だ。安全が保証されないとして訪米は拒否するだろうし、トランプ氏が訪朝すれば「米国が屈した」と宣伝に使われるのがオチだ。中露などが会談場所だけを提供する望みも薄い。

 最大の壁は、米国が北朝鮮の非核化目標を対話の前提にしている点だ。金委員長は、核・ミサイル開発を政権維持の柱に据えており、12年2月に米国とウラン濃縮やミサイル実験の凍結に合意しながら半月後には、「衛星打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルの発射を通告し、ほごにした“前歴”がある。

 「トランプ氏も無理を承知で、全ての選択肢がテーブルにあるとのポーズを示しただけではないか」と李教授は推測する。

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