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いまだ解明できぬ「前震」のナゾ 気が気でないチリの地震群発地域 (1/2ページ)

 南米チリでは、4月末から起きている群発地震を固唾をのんで見守っている。首都のすぐ西にある太平洋沿岸で起きるマグニチュード(M)8・3の大地震の前震ではないかという騒ぎである。

 南米の西海岸は、日本とうり二つの地震が起きる。

 日本では太平洋プレートやフィリピン海プレートが地震を起こす元凶だが、ここでは「ナスカプレート」が陸の下に潜り込んでいて、しばしば大津波を伴う海溝型の地震を起こす。アンデス山脈の多くの火山も、このナスカプレートが作ったものだ。つまり、日本の脊梁山脈や火山帯と同じものが太平洋の向こう側でも作られてきたのだ。

 世界最大だったM9・5のチリ地震(1960年)をはじめ、数々の巨大地震が起きてきた。チリ地震からの津波は日本も襲い、日本だけでも140人以上の犠牲者を生んでしまった。

 今回の騒ぎは、首都サンティアゴの100キロほど西にある外港バルパライソ市の目の前に大地震の空白地帯があることから来ている。

 バルパライソにはチリの国会があり、ユネスコの世界遺産に登録されている美しい町だ。

 この空白地帯の大きさから、いずれ起きる大地震のMは8・3と見積もられてきた。

 ナスカプレートは年に8センチという速さで南米を押してきている。それゆえ、海溝型の地震が繰り返して起きているところなのだ。フィリピン海プレートが年に4~5センチで押してきている南西日本で、いずれは南海トラフ地震が起きるのと同じ構図である。

 ところで、世界の大地震の例では前震が直前に起きてから大地震に至る例がある。たとえば2014年にチリ北部で起きたM8・2のイキケ地震では半月ほど前からいくつかの前震があった。このイキケ地震は今回の騒ぎのすぐ北で起きた。

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