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立入検査・基地警備隊員など広く使用 歴史と伝統受け継ぐ予備用武器「9ミリけん銃」 (1/2ページ)

 自衛隊に配備されている「9ミリけん銃」。1982年から主に幹部用として配備を開始した。今では陸上自衛隊・普通科隊員などの小銃に次ぐ予備用武器として、海上自衛隊では立入検査隊員、航空自衛隊では基地警備隊員などに、広く使用されている。

 1950年、自衛隊の前進である警察予備隊が発足すると、米軍から「コルト・ガバメント」の通称で知られるコルト社製「M1911」が供与された。第一次世界大戦からベトナム戦争まで使用された歴史ある拳銃である。

 当時、「拳」が当用漢字ではなく、防衛省は使用することができなかったので、「けん銃」と表記している。

 M1911の後継として防衛省が選んだのが、シグ社(スイス)の子会社、ザウエル&ゾーン社(ドイツ)がつくった「P220」だった。

 M1911の全長が210ミリ、重量が約1キロだったのに対し、P220は全長206ミリ、重量830グラムと若干コンパクトになった。両方の射撃を行った陸自幹部によると「グリップが小さいので握っていても疲れず、反動も少なかった」と感想を語る。

 このP220を「9ミリけん銃」の名で、日本の「ミネベア工業」がライセンス生産してきた。同社は、日本陸軍の中将でもあり工学博士でもあった南部麒次郎(きじろう)が興した「南部銃製造所」をルーツとする。

 南部は、欧州で自動拳銃を初めて見て衝撃を受けた。帰国後、研究を行い、1902年に「南部大型自動拳銃」の開発に成功する。これまで日本軍は回転式拳銃を用いており、南部の自動拳銃は接近戦における戦闘能力を一気に向上させた。

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