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【三橋貴明 断末魔の中韓経済】中国経済の繁栄はかりそめ 成長背景にあったグローバリズムも落日 (1/2ページ)

 「地政学」という学問がある。地理的な環境が、国家に政治的、軍事的、経済的な影響を与えるという学問である。

 現在、北朝鮮危機の深刻化を受け、中華人民共和国は地政学的なプレッシャーを受けている。

 ドナルド・トランプ米大統領は4月11日、ツイッターで、《中国の習近平国家主席に対し、北朝鮮問題で協力するなら、中国は対米貿易でより良い条件が得られると伝えた》ことを明らかにした。

 グローバリズムの考え方からすると、経済と安全保障は「別の問題」と定義づけされる。というよりも、グローバリズム的には、安全保障の危機が深刻化するようなことは「あり得ない」という話になっている。

 世界は常に平和であり、国家間の紛争も生じない。世界はフラットなのであるから、国境を越えたモノ、ヒト、カネの移動を自由化し、自由にビジネスをしても問題ない。平和安定こそが、グローバリズムの基本なのだ。

 とはいえ、現実は異なる。北朝鮮の核・ミサイル危機の深刻化を受け、中国は「宗主国」として、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を抑制することを米国から「要請」された。北朝鮮が中国と国境を接していなければ、中国共産党と朝鮮労働党との歴史的な関係がなければ、話はまるで違っていただろう。

 結局、地政学を否定したグローバリズムは、現実とかけ離れた空想的な概念だったのだ。中国は地政学的な理由から、北朝鮮を制御することを求められ、「うまくやれば、対米貿易で良い条件が得られる」と、経済的な「餌」をぶら下げられたわけである。

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