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海自、新米飛行幹部の航海訓練で中国けん制 「九段線」内を通る緊迫ルートの現状 (1/2ページ)

 海上自衛隊では、幹部自衛官となった者を対象に、知識と技術を修得させ、資質を育成するために「練習航海」という教育訓練を実施している。そのなかで、将来、航空機のパイロットとなる幹部を対象に毎年実施しているのが「外洋練習航海」だ。

 今年は、広島県江田島市の幹部候補生学校を終了した約40人のパイロットの卵たちが、3月18日に旅立ち、4月27日に呉基地(同県)に戻ってきた。実習船となったのは、護衛艦「ふゆづき」と、潜水艦「みちしお」の2隻である。

 今回注目したいのは航海のコースである。江田島を出港後、沖縄に寄港したのち、4月4日にマレーシア・コタキナバル、4月12日にベトナム・カムランと南シナ海をめぐった。中国が一方的に領有を主張するスカボロー礁(中国名・黄岩島)や、スプラトリー(同・南沙)諸島、パラセル(同・西沙)諸島などを含む「九段線」内を通る緊迫した航海だ。今回特別に、同乗取材が許可された。

 指揮官を務めた第1練習潜水隊司令、羽渕博之1佐は「今回の行動の目的は、飛行幹部を立派な海上自衛官に育てることです」と話す。

 だが、このコースにした理由は、間違いなく中国が一方的に進める領海拡大を懸念し、けん制する目的が含まれているものと思われる。

 マレーシアを出港すると、「ふゆづき」は同国海軍の哨戒艦「クダ」と親善訓練を実施した。事実上、「棚上げ」としているが、領有権問題は放棄しておらず、中国とは相反する立場であるマレーシアと同海域で訓練をする意味は大きい。

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