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野村不を買収検討、郵政の狙い 社宅用地の再開発にメリット、高値づかみでは効果に疑問 (1/2ページ)

 日本郵政はオーストラリアの物流子会社トール社の業績悪化から、4003億円の減損損失を計上した。これで2017年3月期の連結最終損益は、07年の郵政民営化以来初となる289億円の赤字に転落した。

 しかし、日本郵政はさらなる買収を仕掛けている。野村不動産ホールディングス(HD)に対し、株式公開買い付け(TOB)を行う方向で検討している。その目的は、全国にある郵便局の土地などを有効活用して不動産事業を強化することだという。

 テレビの訳知り顔のコメンテーターは、駅前にある郵便局の再開発を目指していると話していたが、それは違う。

 大都市の駅前の一等地に郵便局があるのは事実だ。昔は鉄道で郵便物を運んだことに由来する。しかし、現在は郵便物の主要な運搬手段は自動車となり、駅前の立地は物流拠点には不向きとなっている。

 こうした事情は10年前の民営化当時でも認識されていた。駅前の郵便局はすでに再開発の土俵に乗っており、進行中のものも少なくない。いまさら野村不動産の手を借りなくてもできるものだ。

 筆者が注目しているのは、郵便局員用の社宅である。郵政社宅を調べてみると、全国各都市の至るところにある。公務員宿舎と同じで、便利な一等地にあることが多い。

 野村不動産といえば、高級マンション販売として有力な企業だ。郵政官舎を高級マンションに変えるのは、朝飯前だろう。

 日本郵政は民営化以降、全国各地の社宅を売却してきたが、それではもったいない。もし野村不動産を買収すれば、高級マンションにしてからの売却となり、付加価値が加算されて大きな収益増になるかもしれない。

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