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米・イラン、深まる溝 トランプ氏…何度も批判 ロウハニ師…態度硬化

 【カイロ=佐藤貴生】トランプ米大統領は23日までの中東訪問でイランを繰り返し批判した。19日のイラン大統領選で再選を果たしたロウハニ大統領は穏健派だが、当選後に対米批判に転じるなど、米・イラン関係はしばらく対立局面が続きそうだ。

 「核兵器の保有は決して許さない」「テロリストと民兵への資金提供や訓練、装備供与は即刻やめなくてはならない」

 トランプ氏はサウジアラビアとイスラエルの訪問中、重ねてイランに警告を発した。「善と悪の戦い」と表現した対テロ戦において、イランを「悪」と位置づけた形だ。

 これを受け、「イランは国際社会との対話の道を選んだ」と融和姿勢を強調してきたロウハニ師は態度を硬化。弾道ミサイル開発を「平和と防衛のためだ」として継続する方針を示し、サウジが米国から1100億ドル(約12兆円)相当の武器購入を決めたことには、「武器の購入や製造で国は強くできない。国力の基盤強化は選挙を通じてのみ起きうる」と批判した。

 イランはシリアの内戦に介入し、アサド政権の後ろ盾となっている。イエメンでもイスラム教シーア派系のフーシ派を支援し、米・サウジと対立している。ただ、イラクではイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)打倒で米国と同じ側に立つという複雑な構図だ。米・イラン関係の今後は中東各地の紛争に大きく影響する。

 トランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相との共同会見で、「イランの野心」をISと同等に位置づけて懸念を示し、欧米の識者からも「非生産的だ」などと疑問視する声が出ている。

 ただ、米・イラン関係が急速に悪化するかは疑問だとする見方もある。イランの政治評論家レイラズ氏は電話取材に対し「サウジが多額の兵器を購入してもイランを攻撃することは考えにくい。米の関心は中国やカナダ、日本などとの経済関係が主で、『イランカード』を使うのはアラブ世界に限られる」などと述べた。

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