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航行の自由作戦 米、中国の軍事膨張阻止 対北連携、影響意識も

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権が24日、南シナ海で「航行の自由作戦」(FONOPS)に踏み切ったのは、北朝鮮問題をめぐる中国との連携に悪影響が出る恐れを意識しつつも、北朝鮮問題での協力と引き換えに南シナ海での中国の軍事的膨張を容認するという「誤解」が定着するのを食い止める狙いがあるとみられる。

 しかし今回、南シナ海に派遣されたのは、オバマ前政権が2015年10月~16年10月にかけて4回実施した作戦と同様、ミサイル駆逐艦1隻だけだ。また、米国防総省のデービス報道部長は24日、今回の作戦について「航行の自由作戦は1つの国を対象にしたものではなく、政治的立場を表明するものでもない」などと述べるにとどまり、作戦実施の事実を公式に確認しなかった。

 こうした点を見る限り、トランプ政権は中国の習近平体制を必要以上に刺激しないよう、一定の配慮をしたとも推察できる。

 トランプ政権にとって北朝鮮の核・ミサイル問題は安全保障分野での最重要課題だが、中国による北朝鮮への働きかけの結果は直ちには見えそうにない。今の時点で作戦を決行したのは「作戦の早期実施」を求める議会の圧力や、太平洋軍からの突き上げをかわす思惑もあったとみられる。

 今後注目されるのは、トランプ政権がどれほどの規模と頻度で作戦を続行していく意思があるかだ。

 オバマ前政権時代に実施された作戦は、一度に複数の艦艇を派遣することはなく、約3~5カ月に1回程度しか実施されなかったことから、対中強硬派の議員などから「不十分」との批判が上がっていた。

 トランプ氏がどこまで南シナ海での「航行の自由」を追求する意思があるのかは、今後の作戦のあり方次第といえる。

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