記事詳細

【昭和のことば】「質素な弁当」の代名詞 「日の丸弁当」(昭和14年) (2/2ページ)

 この年、前述の「国民精神総動員」は、遊興営業の時間短縮、ネオン全廃、中元歳暮の贈答廃止、学生の長髪禁止、パーマネント廃止などの生活刷新案を決定し、街中に少しずつ戦争の気配が広がり始めていった。

 米穀配給制度もこの年に施行された。だが、まだ食うに困る段階ではなく、質素な日の丸弁当もけっこう人気があった。

 「もともと米を主食にしている日本では(中略)いわゆる単食的な傾向が強かったから梅干だけの副食でも、それほどつらい食生活と思わずにすごしてきた」(小木新造『昭和庶民文化史(上)』)

 国家が引き締めに躍起になる一方で、国民のほうはまだまだのんきだった。昭和19(44)年、「すいとん」「代用食」が流行語になる。「日の丸弁当」は、たちまちぜいたくな食事となった。 (中丸謙一朗)

 〈昭和14(1939)年の流行歌〉 「父よあなたは強かった」「兵隊さんよありがとう」「九段の母」(二葉百合子)

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう