記事詳細

神戸山口組トップ異例の逮捕 兵庫県警「微罪のように思われるかもしれないが…」

 平成27年8月末に指定暴力団山口組が分裂し、同神戸山口組が結成されて1年9カ月。全国で抗争事件が相次ぐ中、兵庫県警が神戸山口組トップの井上邦雄容疑者(68)の逮捕に踏み切った。携帯電話の詐取容疑での暴力団トップの逮捕を異例と指摘する声もあるが、4月末に神戸山口組を離脱した勢力が新組織「任侠(にんきょう)団体山口組」を結成したことで新たな抗争への懸念が高まっており、断固とした取り締まりを行う姿勢の表れといえそうだ。

 井上容疑者は17年に山口組の渡辺芳則5代目組長の出身母体「山健組」を継承し、司忍(本名・篠田建市)6代目組長の下で直系組長に昇格。27年8月末に12人の直系組長とともに山口組から離脱して神戸山口組を結成し、山健組組長を兼任したまま組長に就任した。

 その後、山口組と神戸山口組による抗争事件は今年4月15日までに95件発生。分裂の影響は他団体にも波及し、指定暴力団会津小鉄会(京都市下京区)は今年に入り、山口組、神戸山口組それぞれを後ろ盾とした2人の組長が並び立つ事態となった。同会の本部事務所前では双方の組員らの小競り合いも起きており、京都府警が捜査している。

 さらに4月末に新組織が結成された後は、神戸市中央区の路上で新組織の組員(50)が襲撃される事件が発生。県警は5月に山健組幹部ら4人を逮捕したが、“3つの山口組”による三つどもえの抗争が懸念される状況が続いていた。

 暴力団トップの犯罪をめぐっては、司組長が10年に銃刀法違反(共同所持)容疑で逮捕、起訴され、懲役6年の実刑が確定して服役。また、特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)総裁の野村悟被告が26年以降に一般市民に対する殺人罪などで逮捕、起訴された例もある。一方、井上容疑者が逮捕された携帯電話の詐取容疑は起訴されるケースがまれで、今後不起訴となる可能性もある。

 これに対し、県警の捜査幹部は「微罪のように思われるかもしれないが、抗争事件が相次ぐ昨今、トップの不在によって一時的に暴力団の活動が抑制される意義は大きい」としている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう