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米国のパリ協定離脱は既定路線 日本の高い省エネ技術生かせば雇用と温暖化対策の両立可能 (1/2ページ)

 トランプ米大統領が、温暖化対策を定めたパリ協定からの離脱を発表した。環境、経済、外交などで、それぞれどのような影響が考えられるか。

 米国は、2001年にも京都議定書からの離脱を決めておりこれで2度目だ。前回の離脱の理由も、今回と同様に「経済への悪影響」だった。もっとも、この16年間で状況は変わり、今では温暖化対策は、経済への悪影響よりも好影響の方が大きいという意見もある。

 ただし、このトランプ大統領の発表は大統領選での政治公約を実行したものであり、政治家の宿命だといえる。同氏が「(鉄鋼業で栄えた)ピッツバーグで選ばれた。パリではない」と言うのも、政治家としてはやむを得ない面もある。

 パリ協定の前身である京都議定書は散々だった。米国が批准せず離脱し、中国は削減義務を負わないため実効性が疑問視された。それを踏まえて、190カ国以上が全会一致で合意したパリ協定は、先進国も途上国も乗りやすいもので実効性が期待されていた。しかし、米国の再離脱に直面し、20年からの具体的な対策がどこまでできるのかが危ぶまれる。

 今後は欧州と中国の発言力が強まるだろう。この意味では、温暖化対策に熱心な欧州と、自国の経済発展を目論む中国との対立図式になるので、米国が余計なことを言わなくなった分、欧州がやや有利になったのではないか。

 オバマ政権で決めた温室効果ガスの削減目標「2020年に05年比で26~28%減」も取り消すこととなる。途上国の温暖化対策に使われる「緑の気候基金」への拠出金も停止される。

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