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債務目標めぐる的外れ報道 財政再建の基本は変わらず、デフレ脱却で数値は改善へ (1/2ページ)

 国の財政に関して、「債務残高対GDP(国内総生産)比率」を政策目標にするという動きがあると報道されている。「プライマリーバランス(基礎的財政収支)目標見直しの布石」ととらえる報道もある。

 債務残高対GDP比率とプライマリーバランスとの間には単純な数学の関係がある。債務残高対GDP比率の変化(減少)は、プライマリーバランス対GDP比率と、経済成長率から金利を引いたモノに直前の債務残高対GDP比率を乗じたものの和に等しい。これは高校数学程度なので、ぜひとも挑戦して、その美しさを自分の頭で堪能してほしい。

 実は、この関係は経済政策を考える上でもとても参考になる。具体的な数字を入れてみよう。簡単にするために、今の債務残高対GDP比率を200%としよう。来年の債務残高対GDP比率がどうなっているのかは、今年のプライマリーバランス対GDP比率、名目経済成長率、名目金利で決まる。例えば、プライマリーバランスが赤字で対GDP比率がマイナス5%、名目経済成長率が3%、名目金利が0%の場合、来年の債務残高対GDP比率は、-5+(3-0)×2=1となるので、1ポイント減少して、199%になる。

 こんな簡単で美しい関係式だが、筆者の知る限り日本語の財政学の教科書には出てこない。そこで、筆者は役人時代に経済財政諮問会議の資料の中に、この関係式を書いたことがある。

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