記事詳細

MARCH合計は7000人、合格者を減らした大学 定員の厳格化がもたらす思わぬ影響

 2017年の入試で、合格者を減らした大学のランクは、どうなっているのか。今年の一般入試・志願者トップ30について、合格者数を昨年と比べ減った大学をランクした。

 文科省は地方創生の一環として、地方から大都市圏に進学する学生数を制限したい考えで、大規模な大学を中心に定員の厳格化を求めている。15年は入学者が定員の1・2倍まで助成金がもらえた。それを徐々に減らし、今年は1・14倍、来年は1・1倍まで。これを超えると助成金をもらえない。

 入学者を減らすことは、合格者を減らすことにつながる。最も減らしたのは立命館大。昨年比で12%も減らした。

 今年は志願者が増えて合格者が減り、入試は厳しくなった。実質競争率(受験者数÷合格者数)も法政大が昨年の4・2倍から5・4に上がり、早大が5・6倍から6・7、立教大が4・6倍から5・4と難化した。

 定員の厳格化が思わぬ影響をもたらした。ひとつは、上位大学が合格者を絞ったため、定員割れを起こしていた大学で定員が埋まった。

 さらに、首都圏の私立高の進路教諭は「難関私大の合格実績が順調に伸びてきたが、今年は定員の厳格化で合格者数が昨年並みにとどまり、実績の良さを広報ツールに使えなくなり、頭を抱えています」という。

 MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)合計で7000人近く減った。大手予備校の関係者は「今までは浪人生が減ってきたが、今年は定員の厳格化のおかげで私大文系の浪人生が増えた」という。やはりトップ私立大狙いの受験生は多いようだ。

 塾関係者は「定員厳格化は当初、大都市圏の入試を厳しくするだけと言われていましたが、難関大がさらに難しくなった。地方の受験生は、難しいから首都圏の大学を受けず、結果的に地方創生が実現できるかもしれません」と見る。来年もさらに合格者は絞られる。来年は併願校を増やす対策が必要だ。

 ■安田賢治(やすだ・けんじ) 大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネジャー。1956年兵庫県生まれ。灘中高、早稲田大卒業後、大学通信入社。中高・大学受験の案内書・情報誌の編集責任者として大学合格や就職情報を発信。私立学校のコンサルティングにも協力。著書に『中学受験のひみつ』(朝日出版)など。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう