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【ぴいぷる】緊急“発信”続ける航空自衛隊元空将 織田邦男氏「『言えない』現場の苦悩を代弁するのが役割」 (1/3ページ)

 ■迅速な論考で代弁

 映画「トップガン」の続編が、来年から撮影開始されるという。主演のトム・クルーズは54歳にして、まだまだ現役だ。そして、1986年の公開当時、まさに戦闘機で空を駆け、日本の防空任務に就いていた織田邦男氏もいまなお「現役」と言っていい。

 戦闘機乗りとしての自衛官人生は2009年までだったが、その後、さまざまな媒体への寄稿やメディア出演を通じて、日本の安全保障体制が抱える矛盾や問題を世に問いかけ続けている。

 織田氏が突出しているのは、その迅速さだ。エンジンをホットな状態にして、遅くとも5分以内に戦闘機が飛び立つスクランブルは「緊急発進」のことであるが、織田氏の論考はさながら「緊急発信」だ。

 「現役自衛官は言いたくても言えない。OBはそれを代弁するのが役割です」

 背中を押すのはそんな使命感。防衛省・自衛隊が、「言えない」「できない」が多いなかで、どれほど苦悩しているか。世の中の人が知らない細部の実態を明らかにする必要性を感じるOBは多いが、実際に行動するのは簡単ではない。「秘」も多く、機密に触れぬよう、いかに「出さないか」にも極めて神経質になる必要があるからだ。

 しかも、軍のトップクラスの地位にあったとなれば、どれほど心を配っているか計り知れない。

 「我々の能力を知られることは、自衛官の安全を脅かされかねません」

 それだけの配慮と苦悩の中で世に出されたのが、「織田論文」だった。

 注目の論文は16年6月、インターネットサイトで発表された。このころ、中国海軍艦船が沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に入るなど、動きを活発化させていた。同時に、中国軍の戦闘機も危険な挑発行動を取るようになり、ついに攻撃動作を仕掛けてきたという衝撃的な内容だった。

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