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「おおすみ」型輸送艦、「PKO」から「島嶼防衛」へ変身 (1/2ページ)

 大型輸送艦「おおすみ」型は海上自衛隊初の全通甲板型の輸送艦となった。今でこそ、本格的なヘリ運用が可能な「いずも」型などがあるが、当時は衝撃的だった。

 今後増える国際貢献任務や災害派遣など、多種多様な任務に対応するため、「おおすみ」「しもきた」「くにさき」と、1998年から2003年の間に3隻就役した。

 先代の「みうら」型輸送艦の基準排水量は2000トンだったが、「おおすみ」型は8900トンと4倍以上で、運用方法も大きく変わった。

 それまでの海自輸送艦は艦首が観音開きで、船底が平らになっていた。これは、船体をそのまま浜辺に乗り上げるビーチングという方法を用いて、艦首から車両や人員を下ろすためだ。

 ただ、このような形状では波の影響を受けやすい。まるで“たらい”が波間に浮かんでいるかのような不安定さだった。天候によっては上陸できない可能性もあり、長期航海にも向かない。

 それを痛感したのが1992年に行われた自衛隊初となるカンボジアPKO(国連平和維持活動)派遣だった。

 国内で陸上自衛隊部隊を輸送する任務が主だった海自輸送艦による長期航海は初めてだった。台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡では低気圧の影響で船は大きく揺れ、多くの陸自隊員が深刻な船酔いに悩まされた。居住性は最悪だった。スピードは出ず、カンボジアまで3週間も要した。小さい船体なので、補給艦が随行し、各種支援を必要とした。

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