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【米中激戦!】両国の駆け引きはさらにエスカレート 米IS制圧を優先、中国は北に制裁のフリ (1/2ページ)

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 中国の習近平国家主席は現在、北朝鮮に経済制裁をしたフリをしているが、効果は一向に上がっていない。北朝鮮から中国への石炭輸出は激減したが、逆に鉄鉱石輸出が急増しており、まともな経済制裁が実行されているとは思えない。

 これにイラ立っているのがドナルド・トランプ米政権だ。トランプ氏が、中国に「北朝鮮締め上げ」を依頼した経緯には裏がある。

 大統領候補時代のトランプ氏は「反中色」を明確にしていた。米国の第1の敵はIS(イスラム国)で、第2の敵は中国だと明言していた。中国が膨大な対米貿易黒字を抱えており、不公正な貿易相手国であるというのが、その理由だった。

 そこで、「対中強硬論」の論客、カリフォルニア大学のピーター・ナバロ教授を、国家通商会議(NTC)委員長に迎えたのである。

 対中強硬論で突っ走ると思われたトランプ氏だが、意外なことに4月の米中首脳会談後は、中国批判は控え、穏健な発言が目立つようになった。日本では「トランプが習氏に籠絡された」「米中が本格的和解に動いている」などという説が流布され始めた。

 だが、情報源をたどると、日本の親中派が中国共産党の拡声器となって、米中和解説を盛んに喧伝していたのである。

 トランプ政権としては、中東でのIS(イスラム国)問題が解決するまでは、東アジアの紛争に手を出すことはできない。米軍は2カ所の軍事紛争に同時にコミットすることは極めて難しく、予算的制約もある。ISの領域支配を完全に終焉(しゅうえん)させてから、対中問題に取り組むというのが、トランプ政権の優先順位である。

 一方、習氏としても、11月の共産党大会で権力基盤を固めるまでは、米国との表立った紛争は避けたい。北朝鮮問題で米国に協力するフリをして急場をしのいでいる-というのが実情だろう。

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