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【昭和のことば】まさに「珍語!」 軍備に関する大きな矛盾から生み出された戦力なき軍隊(昭和29年) (1/2ページ)

 憲法改正に関する議論はいまも続いている。戦争放棄と戦力不保持を規定した第9条が、戦後の日本に大きな意味を持ったことに疑問の余地はない。だが、またそれと同時に、自衛隊という軍備に関する大きな矛盾を生み出した。その矛盾のおおもととなった流行語が、このことばである。

 アメリカの圧力のもと、憲法解釈の運用によって軍備を持つという方針を示した吉田茂首相は、違憲とする反対派に対し、「保安隊(自衛隊の前身)は軍隊だが、近代戦を遂行できる戦力は持っていない」との見解を示し、「戦力なき軍隊」という「珍語」を生んだ。

 この年の主な事件は、「帝都高速度交通営団の池袋・御茶ノ水間が開通(戦後最初の地下鉄)」「アメリカの女優マリリン・モンロー、野球選手の夫ジョー・ディマジオとともに来日」「第五福竜丸、ビキニでのアメリカ水爆実験で被災。死の灰をかぶって静岡県焼津に帰港」「NHKテレビ、美容体操の放送開始」「犬養健法相、造船疑獄関連で自由党の佐藤栄作幹事長逮捕阻止に指揮権発動、翌日辞職」「改正警察法、防衛庁設置法、自衛隊法、各公布」「原水爆禁止署名運動全国協議会結成」「日本中央競馬会発足、第1回競馬開催」「台風15号暴風雨下の青函連絡船『洞爺丸』が座礁転覆。死者行方不明者1155人」「吉田内閣総辞職、第1次鳩山一郎内閣成立」など。

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